天の川を渡って 《 arym 》

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‥







部屋に戻ると、山田は既に布団に入っていた。

部屋の入口に背を向けて、布団を顔まで被って。




「山田、具合悪いの？」

「…疲れただけ、気にしないで」

「でも、…」




布団のせいで山田の声が篭って聞こえる。
明らかに何かを隠してることは分かったんだけど、なんて聞けばいいのか、わからない。




「……今日のご飯、美味しかった？」

「え、…あ、うん。美味かった」

「…そっか。そりゃ伊野尾ちゃんと食べたら楽しいし美味しいよね」

「…？ごめん、なんの話ししてんの？なんで伊野ちゃん？」




なんでもない、とだけ言って更に布団に深く潜る。

ほんとに今日は、山田の様子がおかしい。
そんな態度取られると、余計に頭から離れなくて。


おかげで、今日は一日中山田のこと考えてる。




「なあ山田」

「ん、」

「明日で半分終わっちゃうんだよな」

「…そうだね、」




冷たいようで、
なんとなく寂しげな声が耳にへばりついて、

布団に入ってしばらくは、眠れなかった。







‥

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