天の川を渡って 《 arym 》

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海に向かって走る車内では、さっきからずっと、アップテンポな曲が流れている。
1年ぶりの海だ、しかも今回は初めて行く海水浴場。

気分は上がりまくってるし、さっさと着きたいからスピードをあげたいけど、そんなことする訳にもいかなくて。


ただ車を走らせる。




「ねー大ちゃん、まだ着かないのー？」

「もう少しで着くよー」

「それさっきからずっと言ってんじゃん…」




後部座席でさっきからわーわー文句言ってるのは、俺の友達の伊野尾慧。今日行く海水浴場は、伊野ちゃんの友達？が経営してるらしくて、勧められた。

寝てたと思えば起きて、飲み物飲んだと思ったら寝て


俺と出掛けると絶対運転しないからねこの人！
嫌になるわ！




「あ、ほら見えてきた！」

「嘘、どこどこー？」




直線道路のずっと奥に見えてきた、
遠くからでも分かる綺麗な海。



夏に海に行けるのって１回くらいだから
存分に楽しまないと！





車が駐車場に近付いてきたから、シートベルトを外す。

家族連れ、カップル、団体、
海辺はとにかく、人で溢れていた。






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