むあむあ。《cn×ar》

＊ ページ9

大貴side




それから3日後



涼介は普通に帰ってくるようになった



いつも通り｢ただいま｣って言って



優しく抱きしめてくれた




それだけで、嬉しかった




でもさらに1週間後



涼介は帰りが遅かった





涼『ただいま』

大『おかえり。仕事？』

涼『あー、うん』





｢お風呂入るね｣と言った涼介



すれ違った瞬間、俺は見てしまった



涼介の首元についている赤い印



あれは俺のじゃない



そしてふわりと香る涼介以外の人の匂い



俺の匂いでもない




やっぱり…浮気…？




シンプルに辛かった



聞きたくても聞けない。今までの関係が壊れてしまいそうで




そんな日々が5日ほど続いた時だった



俺は怪我をした



大した怪我ではない。ちょっと転けただけ



膝を久しぶりに擦りむいた



すると涼介は





涼『え、大丈夫？まじで』

大『ちょっと転けただけだって。昔からよくあるから』

涼『ならいいけど…ほんと、心配させないでよ？』





この言葉を聞いた瞬間、俺の中でとある発想が思い浮かんだ



“怪我をすれば、心配してくれる。一緒にいてくれる”




それから俺は、定期的に自分の意思で怪我をした



最初は軽くぶつけるとか、転けるとかだったそれも



日を重ねる度に深くなっていった




そして1週間前



俺はついに、自分の腕を切る所まで手を出した

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