桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ30)

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優しさの意味 ~玄樹side~ ページ30

～玄樹side～

紫「まじ……か」

優兄が口を滑らしてAに彼女のことがバレたって言ったら、紫耀のテンションは一気に下がった

勇「でもさ、A気づいてたって言ってたよな」

「うん、二人でいるとこ見たって」

紫「え、そうなん…」

「どうせいつかバレることだったんだよ」

紫耀だってわかってたはずだよ

毎日毎日朝も帰りも彼女と一緒でAのことは俺たちに任せっきりだったんだから

紫「A……どんな様子やった？」

紫耀はAの気持ちに気づいてた

だから、Aを傷つけないように彼女のことを隠してたんだ

紫「……泣いてた？」

「それ、聞いてどうするの？」

泣いてたに決まってるじゃん

好きな人に彼女がいたんだから

勇「ん～…ちょっと泣いたけどさ、すぐ泣き止んでケロッと弁当食ってたよ」

紫「そっか、なら…よかったわ」

勇太の言葉にホッとしたように笑った紫耀

俺はそんな紫耀に少し苛立っていた

「嘘だよそんなの、全然泣き止まなかったじゃん」

勇「えっ、ちょっと玄樹…」

勇太は紫耀に心配させないように嘘を言ったんだろうね

でも本当は全然泣き止まなかったし、お弁当なんか一口も食べなくて

優兄が慌てて購買でヨーグルト買ってきてなんとか食べさせたんだよ

「紫耀はさ、彼女のこと隠してAのことどうしたかったの？」

紫「どうって……俺はただAを傷つけたくなくて」

「そのわりには彼女ばっかり優先してるじゃん」

紫「……」

勇「ちょ…玄樹どうしたんだよ」

だって紫耀を見てるとイライラするするんだ

Aを傷つけないためにって言うけどさ、それは本当にAのためなの？

もし突き放したらAがどこかに行っちゃうんじゃないかって

怖いんじゃないの？

それって、結局自分のためだよね

紫「俺Aと話してくる」

「今更何話すんだよ、俺のことは諦めろって？」

紫「いや…」

「ほっといてやりなよ、どうせ紫耀はAより彼女の方が大事なんだから」

紫「…あのさ、なんなんさっきから。何でそこまで言われなあかんの？」

勇「ちょっと二人とも落ち着けって…」

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