桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ27)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:336,559 hit

胸の痛みページ27

.

紫『A？返事できんくてごめんな～、なんか用だった？』

携帯から聞こえる紫耀の声

いつもと同じ、少しハスキーで優しい声

「………うん…」

紫『何？』

「………」

会いたかった

声が聞きたかった

ただたわいもない話がしたかっただけ

紫『A？』

「………なんでもない」

紫『え？』

「なんでもない、……わすれちゃったの」

紫『そっか…ごめんな遅なって』

何してたの？って聞いたら紫耀はなんて答えるんだろう

こないだみたいにまた嘘をつく？

それとも彼女といたんだって正直に言う？

「…ごめん紫耀、眠くなっちゃった」

どっちも聞きたくない

どっちを言われても、きっと私のこの胸はもっと痛くなるから

紫『ん、じゃあおやすみ。また明日な』

「うん…おやすみ」

紫耀が誰かを好きになったり、付き合ったりするなんて

カイちゃんの言った通り全然不思議なことなんかじゃないのに

なのに…

「ひっ……しょ…おっ…」

涙が止まんないの

もう私のそばにはいてくれないなんて

こんな日が来るなんて

私、どうしたらいい？

紫耀のことが大好きなのに…

.