Troubled persen

十六話 ページ18

Aside



平手さんを突き放して



物置を飛び出る



非常階段の扉を半ば強引に開け



テレビ局の屋上まで来た




少し冷えた風がボクの頬を撫でてくる



涙が頬を伝い、首筋をなぞる



風のせいでやけに首がひんやりとする






『…なんだよ




　所詮偽善者なんだから偽善者らしく振舞えよ




　なんで泣いてんだよ




　言っただろう？独りでも生きていけるって


　

　人にすがるな、成瀬A




　お前は独りでいいんだ




　今更泣くな、散々傷ついただろ



　
　今更傷つくな



　
　大丈夫だよ、お前は強い



　
　強いから独りでも大丈夫




　関係ない奴らとは関わるな




　お前の心に無遠慮に入り込んでくる奴らは



　
　拒否しろ。お前には拒否権がある




　もっと自分を信じろ



　
　その耳で識別しろ



　
　その耳が役に立つ時があるんだ




　大丈夫、大丈夫




　お前は強い、独りは怖くない




　怖がるな、孤独を




　孤独でいろ』








そう自分に言い聞かせるように呟く







独りでも…大丈夫







あぁ、もう





逃げ出したい





逃げ出したい





辛い





怖い





あいつらは




信じるな





お前は孤独でいいんだ






お前は生まれた時から孤独だろ





思い出せ




小学生の頃、何をされた？




同級生の心の声に耐えきれなくて




そいつに少し反論したら




髪を焼かれただろ？




殴られただろ？





前の学校では何をされた？




耳を塞げずに苦しんでたお前を




バカにしていた奴らもいっぱい居ただろ




理解して貰えずに苦しんできただろ






その時の感情を忘れるな





怒り




苦しみ




憎しみ





あっただろ？そんな感情





その感情を忘れるな




絶対に。







･









･









信じるのは自分だけでいいよ





next…



　

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