十話 ページ11
今泉side
成瀬さんへの悪口は止まらない
そこへ賛同しようとは微塵も思わなかった
今泉「帰る……」
恐らく誰にも聞こえてないだろうけど
わたしは別れの挨拶をして
その場を離れた
寮に帰ってきて、心のモヤモヤを
振り払うように泣いた
同じメンバーなのに、何故
相手の事情も知らずに勝手に判断するの？
そんなの嫌だ
すると、部屋の外から
声がした
小林「…ずーみん、いる？」
今泉「うん、いるよ」
小林「入っていい？」
わたしはゆいぽんを部屋に招き入れ
用を尋ねる
小林「言い過ぎじゃなかった？……成瀬さんに」
今泉「……なんでだろう。なんで
上手いこといかないんだろう」
小林「……あんまりだよね」
今泉「……てちの言ってたことは正しいのに……」
小林「なんでだろうね……」
ゆいぽんは俯いてそう零す
そのまま私たちは悩んだまま
解散した
─翌日─
今日はアー写の写真撮影
やっぱりてちからは
一味違うオーラを感じる
それは成瀬さんも同じだった
カメラマンさんは一言も言わず
シャッターを切っていく
撮影が終わったメンバーは少しぐったりとしていた
私もそのうちのひとり
少し椅子に座って休憩していると
遠くの方から物音がした
守屋「……なんで喋んないの
こんなことされてるんだよ？」
『………………』
守屋「……感じ悪いよ、あんた」
あかねんのその声が聞こえて
そちらを向くと
あかねんが成瀬さんを突き飛ばして
胸ぐらを掴んでいた
『フフっ……』
守屋「なんで笑ってんの……」
その笑った顔は引き攣っていて
少し開いた口から覗く八重歯は
吸血鬼のようだった
守屋「うわっ……な、なにその歯」
『怖い……？』
守屋「……気持ち悪
行こ
てっちゃん」
てち……？！
なんで……
てちが……
『なんだよ……結局そうかよ……
みんなボクを虐めて楽しいかよっ……
……クズが」
その声を聞きたくなくて
わたしはずっと耳を塞いでた
…このグループは大丈夫だろうか
今も
これからも
このグループは
上手いことやって行けるのだろうか
next……
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優 - 本当にすごいです。なんだろう、言葉が出ないくらいです。泣きました。色々と考えさせられました。ありがとうございます。 (2022年4月29日 21時) (
レス) @page20 id: 9c0ba7a296 (このIDを非表示/違反報告)
みりぽん - すごい、ですね。……すごくいい作品だと思います。心に響きました。応援しています。 (2020年3月15日 1時) (レス) id: 5ba7fc14d4 (このIDを非表示/違反報告)
クラクト(プロフ) - さききさん» ありがとうございます！ますます精進致しますのでご贔屓のほど、よろしくお願い致します！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: f25e698725 (このIDを非表示/違反報告)
さきき - 新作ですね！ありがとうございます！！！応援しています。 (2019年11月24日 20時) (レス) id: 97f71203b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クラクト | 作成日時：2019年11月10日 5時
