詰め合わせヒーローズ！ (ページ6)

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▽切島鋭児郎△ ページ6

「どこが好きなの！？」

真っ赤になる私の顔すら楽しんでいるのか、
ますます盛り上がっていく女子達。

「どこって言われても.......」

チラッと、爆豪くんたちといる彼の方を見る。
見ているのに気付いたのか、彼もこちら向く。

不意に目があった。

まるで、時が止まってしまったみたいに。
私の体が硬直する。

ドキドキと高鳴る鼓動を抑えようとパッと顔を背ける。

それすらも透ちゃんたちは楽しんでいるようだ。

「顔真っ赤だよー？」
「ほんと好きだねー切島のこと！」
「こっちも恥ずかしくなってくる...」

「しぃー！
声、大きい！気付かれたらどうするのさ！」

切島くんに私の気持ちがバレてしまったら大変だ。

「でもこうでもしないと気持ち伝わらないよー？」

「伝わらなくていいし、伝えない！！」

切島くんが私を好きなんてことがあるはずがない。
つまり、この気持ちは私の中にとどめておけばいいんだ。

「切島、絶対Aのこと好きなのに」

耳郎ちゃんの発言に耳を疑った。
まさか、そんなことがあるはずがない。

でも、もしかたしたら......
なんて期待してしまう自分が恥ずかしい。

「まったくー、切島くんも切島くんだよね！！

こんなかわいいAちゃんを放っておいて！
そのうち誰かに取られちゃうよー！！」

「ちょっと.....」

まるで本当に私のことを好きみたいな言い方。

そんなことあるわけないってわかっているのに
顔は熱を引きそうにない。

どうにかして熱を冷まそうと、辺りを見回す。

どうしても、目に入るのは切島くんで....。

爆豪くんや上鳴くんと楽しそうに笑い合っている姿。
案外子供っぽいんだな、って。
そんなところにもドキッとしてしまう。

ボーっとしていると、
切島くんたちがこちらに向かって歩いてきた。

その足は止まることなく私達の前まで来る。

そうやら教室の外へ行くようだ。

「うわー

女子ばっか。羨ましー」

すれ違いざまにそんなこと言う上鳴くん。

それにツッコミを入れる切島くん。

すごく楽しそう。

あっという間に廊下に出て行ってしまった。

少し肩をすくめると、
扉から切島くんがひょこっと顔をのぞかせていた。

「A、あとでちょっといいかー？」

「えっ、あ、うん」

まさか、自分に話しかけてくれるなんて。
引いたはずの熱が、、また戻ってくる。

それをみて女子達の歓声が大きくなったのは言うまでもないだろう。