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story 8
そらる side
彼女といると、なんかずっと変な気持ちだ………
この子の血は誰にも渡したくない。
この子の初めてだって、俺にしたい。
この子を俺だけのものにしたい。
なんて……
そんなこと、吸血鬼の俺が思っちゃって良かったのかな。
でも、他のやつが彼女の隣にいるのは絶対許せない………
『俺たち付き合おっか。』
どっちにしろ、後悔はするだろうな………
でもそれなら、
ギリギリまでキミの隣にいさせて？
『じゃないと、俺のそばにずっといるなんて、みんなに不審感しか与えないだろ。』
ごめん。
わがままでごめん。
｢そっか………そうですね！｣
これから、もっともっと振り回すだろうな………
そう思うと申し訳なって………
『俺、独占欲強いし、わがままだし、吸血鬼だし、決していい物件ではないよ？』
今さらこんな事言っても遅いだろうけど………
そんな俺でも
｢私だって、一ノ瀬先輩のそばにずっといたいって思った時点で、既にここはいい物件ですよ？｣
いいって言って欲しくて………
楽しんでもいいかな？
.
.
って、付き合うことになったのはいいけど、私こういうの初めてだし、そもそも欲しいのは私じゃなくて、私の血なんだろうな………
でも、私を求めてくれるならなんでもいい、
少しだけ勘違いさせて？
『ってか、俺のことは "そらる" って呼んで？
で、敬語もなし。
一応、彼氏なんだし……な？』
苗字呼びはさすがに、みんなも疑うか………
敬語………抜けるかな？
｢わ、わかった！
………そらる？｣
慣れないことばかりで、胸の奥が熱くなる。
『なぁに？』
そう言った彼の顔が、唇が近づく。
｢だから、こういうのは雰囲気とかタイミングとかあるんじゃ！？｣
こんなの、私の心臓がもたない！
『だって、俺がしたいんだもん。
………ダメだった？』
そんなのずるいよ、、、
ダメなんか
……言えないじゃん。
『改めて、よろしく。A♡』
私と彼は今日まで、さっきまでただのクラスメイトだった。
それなのに、この数時間で私たちは恋を知り、愛を知り、恋人になった。
そして、私の初めての彼氏は、何を隠そう "吸血鬼" なのだ。
今日から、新しい私の生活が始まるんだ………！
＿
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作者名：きゃらめるみるく | 作成日時：2017年8月15日 13時
