爆豪派閥の紅一点３【切島鋭児郎】 (ページ29)

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２９話目ページ29

『１週間の入院になるみたい。誕生日...一緒に過ごせんでごめん。』

次の日の朝にAからLINEが届いた。

『そんな事はどうでも良いから、具合はどうだ？』

『熱は８度台で点滴責め。私の部屋に入ってくる看護師さん、感染防止でマスクに手袋装着で入ってきて怖いよ〜。』

ニコニコと笑っているAの顔が思い浮かんできて、思わずニヤけてしまう。

バンッ！

「クソ髪！てめぇんとこにもAからLINEきたか？」

「爆豪...ドア壊れっから...。今LINE入ってきたぜ。」

制服姿でドアを激しく蹴り飛ばして部屋に入ってきて、ベッドに腰を下ろした。

「そうかよ。熱まだ高ぇみてぇだな。」

「８度台って...かなり辛ぇはず。」

ピコン！

『鋭児郎、愛してる。』

LINEを読んでニヤけると、爆豪もスマホを持ってニヤけているのが見える。

『俺も愛してっから早く元気になってくれな。Aが居ねぇと寂しいからよ。』

そう返信をしてスマホをポケットに入れ、上着を持って肩にかけた。

「行くか、学校！」

「冬服...くそあぢぃ。」

「おめぇはネクタイしてねぇんだから少しはマシだろ！？」

「んなら、てめぇもネクタイ外せや！」

途中で上鳴と瀬呂も合流して、俺らはわちゃわちゃと遊びながら学校へと向かった。

「A〜！！会いたかったぜ〜！！」

上鳴がAの病室を開け、大声で叫んだ。

「他の患者様のご迷惑になりますので...お静かにお願いします。」

病室の中には怖そうな看護師さんが居て、Aの点滴を取り替えている最中で...。

「...すっ、すみません。」

「勘解由小路さん、点滴が無くなったらナースコールして下さいね。」

「あ、はい。すみません。」

にこやかにAに話して、部屋を出ていく看護師さん。

「も、上鳴...個室やから良かったけど...大部屋やったら迷惑も迷惑やったで！？」

いつもと同じ口調でガミガミと上鳴を怒鳴りつける声を聞いて、俺と爆豪はホッと胸を撫で下ろした。

「...腕...すげぇ事になってね！？痛そ...。」

「あ、血管出にくいからさ。ブスブス刺し直されたりするから痛い、痛い！」

両腕に紫色のアザが出来ていて、痛々しく見える。

「おい、こら、クソチビ！何か...食いてぇもんはねぇんかよ？」

壁にもたれて、腕組みをしながら聞く。

「あー、あるけど...食べんの痛いからいらんかな。」

困った様な顔をして、残念そうな声で言った。