１９話目 ページ19
「...ブラ変えるよ〜。」
Aが後ろのホックを外し、腕からスルッと引き抜いた。
「スポブラ付けるから...胸寄せるけど、触っても驚かんといてな？」
俺は黙ったままで、コクコクと頷く。
スルッと被せられ、腕を通すと後ろから手を回してきて胸をむにゅむにゅと寄せ出した。
(うへぇ...変な感触...。)
「ごめん、慣れんと変かもな？」
「...慣れたくねぇけどな。」
「確かにな〜。」
その後、パパッと手際良く着替えを済まると、逃げるようにまた俺の部屋に戻って行く。
「んじゃ、次は俺の着替えだな。」
「うん、そやね。」
「シャツくらいなら自分で変えられんだろ？」
爆豪がAに聞くと、下は恥ずかしいと顔を赤らめる。
「...だよな。目ぇ瞑ってな。」
俺はAをベッドに座らせて着替えをさせていった。立たせたままだと身長差があり過ぎて着替えさせにくかったからだ。
「もう目ぇ開けても良いぜ！」
「ありがとう！って、筋肉すごいな〜。」
タンクトップを着せた俺の腕をまじまじと眺めると腕に力を入れて、筋肉を盛り上げる。
「うわぁ！面白い！」
「あんま...変な事しねぇでくれよ？」
「クソ髪、てめぇのが心配だわ。」
「俺っ！？な、何もしねぇよ！...グェッ！」
ベッドに勢いよくうつ伏せで寝転ぶと...胸が押し潰されてとても苦しく、変な声が出た。
「あっ！うつ伏せしんどいで！したいなら枕挟むとかせんと...。」
「痛ぇ...、先に言ってくれよ。」
「うつ伏せに...寝れんのか？」
「や、寝れるで？倒れ込む事も出来るけど、こうやって胸を守らんと...。」
そう言って胸を守るように腕を動かした。
「わーった、わーったからやめろ、A。クソ髪の体でんな動きすんな。」
「A、悪ぃ。俺も...きめぇ...。」
「...わかった。なるべく...動かんとく。私は胸が無くなって幸せ〜！った〜っ！！」
ラグの上にうつ伏せに寝転ぼうとして...ベッドに頭をぶつけて叫んだ。
「痛い〜っ！背の高さに...慣れへん〜っ！」
「そりゃ俺と22、3cmはちげぇんだから、気を付けてくれよ。元に戻る頃には怪我しまくってんじゃねぇの、俺の体...。」
「...個性はどうなっとんだ？クソ髪、火花出せんのか？」
爆豪に言われて試そうとしたらAに「あかんっ！」と止められた。
「出せたとして、調整できんかったら危ないやん。いくら私が勝己より火力弱いとしても...
」
爆豪は首をかしげながら、部屋の天井をまじまじと眺め出した。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2017年7月14日 19時
