１１話目 ページ11
「っ、はぁ〜。」
俺はベッドに勢い良く倒れ込むと、深いため息をついた。
３人で付き合うって事はこういう事だと...充分理解してるつもりが、やっぱり目の前で爆豪の名前を出されて悲しい顔をされるのは...辛い。
それにさっき...Aが止めなけりゃ確実に押し倒していた。
無理矢理は男らしくないし、待ってっつわれりゃいつまでも待つつもりでいるくせに...何をしようとしたんだよ。
「あー、自己嫌悪...。フラフラしちまって情けねぇ。」
それからまた眠りにつき、俺は爆豪に蹴り飛ばされて目が覚めた。
「った！何...すんだよ、爆豪！」
「あ？いつまで寝とんだ！？死んでねぇか確認してやっただけだわ！くそが！」
超不機嫌そうな声と顔をして、ベッドにドカッと腰を下ろす。
「...朝から何イラついてんだ？」
「Aが...無駄に俺を誘惑してきやがった。」
「誘...惑？いつだよ！？」
ガバッと跳ね起きて聞くと「今朝。」だと舌打ちをしながら言った。
「離れんといて...って言いながら俺にキスしてきてよ、我慢出来ずに押し倒したら駄目だって言いやがって...この湧いてきた欲求を何処にぶつけろっつうんだ！ざけんな！」
「...それ...俺もやられたわ。朝方に...。」
「んだ、それ！マジかよ！？」
「LINEが来てよ、俺の部屋に来て...爆豪が浮気した夢を見たんだと。彼女が居たっつうのが...案外ショックだったみてぇだぜ？」
「マジ...か。」
爆豪があちゃーという様な表情をして、ため息をつく。
「で、俺が部屋に戻れっつったらキスしてきて...危うく押し倒しちまうとこ...だった。」
「あいつ...どんだけ俺らの事が好きなんだよ...。」
俺ら...なのか？
Aの心の中では爆豪の比率の方がデカい様な気がして、返事をしなかった。
「おい、聞いとんのか、クソ髪？」
「っ、え？悪ぃ...聞いて...なかったわ。」
「アホか！さっさと面洗って目ぇ覚ませや！」
「...お、おう。」
俺が洗面を済ませて部屋に戻って来ると、爆豪と入れ替わりにAがベッドの上に座っていた。
「おはよう！おかえり！」
「...爆豪は？」
「ん？上鳴の部屋に行ったで？」
「そうか。」
洗面用具を棚に片付け、俺はAと離れた机の椅子に座る。
何となく自分自身がイラついてる様な気がして 、わざと距離を取った。
「鋭児郎、なんでそんな離れて座るん？」
「特に...意味はねぇよ？棚から近かっただけで。」
Aはベッドから降りて俺に近付いてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 225人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梅シロップ | 作成日時：2017年7月14日 19時
