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仕事を終え着替えを済ませて更衣室から出ると、ベクがぼうっと立っていて鼓動が跳ね上がった。
なんだかんだで今日は1度も話してない。
｢…お疲れ｣
勇気を出してそっと声を掛けると私がいることに気付いていなかったらしく肩を震わせて振り返ったベクと目が合った。
｢お疲れ様です｣
微笑む顔はいつも通りだけど声はやっぱり可哀想なくらい掠れていてる。
相当喉痛いだろうな、これ。
｢のど飴いる…？｣
｢あー、あー…はい、ありがとうございます｣
飴を差し出しながら尋ねると少し躊躇ったあとに手が伸びてきて、飴を渡した時に一瞬触れた手が熱かった気がして顔を顰めた。
｢ねえ、熱あるんじゃないよね…？｣
｢無いっすよ？｣
目を丸くして何を言ってるんですか？とでも言いたげな顔をするベクをじっと見た。
皆に心配かけないように無理してるんじゃないの？
｢ほんとに？｣
｢ほんとですって〜。先輩心配症！｣
声を出して明るく笑うベクになんだか悔しくなって拳をぎゅっと握った。
私のせいだから強く言えないけど…弱いところ見せてくれたって良いのに。
｢先輩、駄目だって｣
不意に切ない表情を見せたベクに胸の奥の方がぎゅうっと苦しくなった。
いつも通りな筈無いんだ。
全部全部無理してるんだ、きっと。
｢家帰ったら薬飲んでちゃんと寝るから…そんな顔しないで｣
私がいつも通りじゃないからベクもいつも通りを貫けないんだ。
私がいつも足を引っ張ってる。
｢ベッキョナ、まだいたの？早く帰って寝ろって言っただろ｣
タイミングが良いのか悪いのか、ミンソクさんがやって来た。
ベクを見ると、既にいつも通り笑っていた。
｢すみません〜もう帰りますよ〜｣
そう言いながらなんだか可愛らしく小走りしながら玄関へ向かい靴を履き始めた。
それを無言で見つめている事に気付いて小さく咳払いをして口を開いた。
｢明日酷くなってたら薬局長に言いつけて帰らせるからね！｣
呆れたようにそう言うとベクはほんの少しだけ驚いた顔をして、それから笑ってくれた。
｢はーい。先輩2人がおっかないから大人しく言うこと聞きますよ〜｣
枯れた声でお疲れ様でした、と言うと軽く頭を下げて帰って行った。
いつも通り出来てたかな、ちゃんと。
大丈夫だよね。
｢俺らも帰りましょうか｣
振り返って後ろに立っていたミンソクさんを見るとなんだか少し悲しそうな顔をしていた。
その理由が分からなくて、戸惑ってしまった。
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みつき - オトナの恋物語という感じで私には苦くて酸っぱくてそしてほんのり甘かったです。お互いを思いやったり気持ちを押し殺したりリアルで切なかったです。ありがとうございました！ (2019年6月12日 4時) (
レス) id: bd38120f18 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ソルさん» お返事遅れて申し訳ございません！わ、読み返してくださったんですね(;_;)イムさんのことまで好きだと言ってくれてめちゃくちゃ嬉しいです...番外編もツイッターになってしまいますがよろしくお願いします！！ (2018年8月23日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - 最初〜読み返してしまいました！しうちゃんとくっ付いて嬉しかった反面、べくが切なくて...でもきっとベクをたくさん愛してくれる相手に出逢えますよね^ ^イムさんも、なんか好きでした！その後の2人とベクイムさんも楽しみにしています♪Kさんお疲れ様でした！ (2018年8月15日 14時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - あまいくりーむさん» いつもコメントありがとうございます！そんなふうに言っていただけて本当に嬉しいです...息抜きや楽しみになれていたなら本望です！本当にありがとうございましたー！！ (2018年8月11日 12時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - みんみんさん» コメントありがとうございます！ミンソクさん派だったのですね！結末に満足して貰えたようで嬉しいです(^^)こちらこそ最後までお付き合い頂いてありがとうございました！またどこかでお会い出来れば嬉しいです！ (2018年8月11日 12時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年5月26日 23時
