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月曜日仕事に行くと珍しく私より先にミンソクさんがいなくて、代わりにベクがいた。
「あれ…珍しいね早いの」
「ヒョンから今日はギリギリになりそうって朝連絡来たから早めに来ていつもやってくれてることやっておこうと思って」
ミンソクさん、寝坊?
そんな珍しいことあるの?
それとも土曜の何かが関係しているとか?
「先輩、今日は夜空いてますか?」
「あ、うん…空いてる」
「じゃあご飯行きましょ!」
ニコニコと可愛らしい笑顔を見せるベクにつられて微笑みながらも罪悪感と焦燥感が込み上げてくる。
もしこのままベクだけを真っ直ぐに好きになれないのならこんなの続けてちゃいけない。
でも、あと少しな気がするんだ。
諦められる気がするの。
ミンソクさんがあの人との関係を断ち切って他の人と普通の恋愛をするというのなら私はきっと諦められるんだ。
結局帰りまで話す機会は無く、全ての業務を終えて着替えをすませるとミンソクさんが休憩室へやってきた。
「あ…お疲れ様です」
私を見た時にバツが悪そうに視線を少しズラしたように見えたのは見間違いだろうか。
嫌な予感を拭い切れぬまま、話を振った。
「ミンソクさん、土曜のこと…」
「その事なんですけど」
ミンソクさんは眉間にシワを寄せて険しい顔をしている。
周りには聞こえないように小声だったので少しだけ距離を縮め、どくどくとうるさい鼓動をなんとか落ち着かせようとこっそり深呼吸した。
「すみません、やめるって言ったんですけど…」
ああ、やっぱり。
ミンソクさんの言う通りにならない気がしたのは間違いではなかった。
「脅されてるとかじゃ無いですよね?」
「そういうわけでは…」
あの人の自信に満ちた声を聞くとミンソクさんが離れられないような何かを持ちかけたのではないかと疑ってしまう。
本当に違うのだろうか。
「あの、」
「お疲れ様です〜」
何か言いかけたミンソクさんに仕事を終えてやって来たベクの声が重なった。
そしてベクを見た時に動揺したのを見逃さなかった。
「お疲れ様」
そう言った時にはいつも通りの顔をしていたけど、さっきの動揺は何?
ベクを見ると私と同じように何かを感じたのか少し怪訝な顔をしながら口を開いた。
「えーっと…何かありました?」
「いや、何も。じゃあお先に失礼します」
ベクがいては話せないのは分かるけど、逃げたようにしか見えない。
一体土曜に何があったというの?
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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね!どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね!私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは!わー、ミンソクさん派!ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます!ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ! (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません(笑) (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2018年3月15日 18時