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揺れる ページ48

しばしの沈黙の間、呼吸をすることすら躊躇う程に静寂が私たちの周りを纏っていた。
声を出さない限りあの人に私がここにいることは分からないのになんだか凄くいてはいけない気がして逃げ出したかった。


『やめるって、何を?』


少し硬い声だった。
電話を耳に当てるミンソクさんの横顔を見ながらぎゅっとスカートを握った。


「分かってるでしょ。もうイムさんには会わない」


あまりにもあっさりとそう告げるので逆に現実味が無くて戸惑ってしまう。
でもきっとミンソクさんは本気でそう言っているんだ。


『私を見捨てるの?』


「嘘だったことくらい分かってるから…嘘だって分かってても傍にいただけだ」


敬語を使わない2人の関係を場違いだと分かっていながらも羨ましいと思ってしまう。
あの人はミンソクさんより歳上だろうに、ミンソクさんは敬語を使わない。
私には敬語ばかりなのに。


『じゃあなんで今更?…ミンソクは私から離れられるのかな』


妙に自信があるような言い方だ。
ミンソクさんが自分から離れられない理由があると確信しているように聞こえる。


「どういうこと?」


ミンソクさんも怪訝な顔をしていた。
心当たりは無いみたいだ。


『知りたかったら早く来て。それからどうするか決めたらいい』


眉間にシワを寄せて数秒迷って、それから分かったと返事をし電話を切ったあとに息を大きく吐き出して私を見た。


「どっちにしろ電話で終わらせるのは間違ってましたね。会って終わらせてきます」


「…はい」


家まであと少しだったけれどそこで挨拶をして分かれ、これからあの人に会いに行くミンソクさんの背中から目が離せなかった。


ミンソクさんが言う通りにはならない気がして引き留めたくなった。
勿論そんなことは出来るはずもなく、後ろ姿が見えなくなってから重たい足を動かして家へ向かった。


もう二度と一緒に帰ることはないと思っていた道を2人で並んで来たのに、なんだか全然違う道を歩いてきたみたい。
その時の感情で景色も違って見えるのかな。


家に着くとすぐに化粧を落としてベッドに潜り込んだ。
何も考えたくないから早く眠りたい、そう思ったのに目を瞑ると色んなことが頭の中をぐるぐる回って寝付けない。


ベクのこと。
ミンソクさんのこと。


いくら考えても答えは見つけられなかった。

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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね!どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね!私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは!わー、ミンソクさん派!ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます!ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ! (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません(笑) (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2018年3月15日 18時

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