待ち伏せ ページ26
ベクに体調の心配をされ、何ともないと笑いながら心の中は色々な感情が混ざりあっていた。
今でもあの時のベクへの気持ちは消えていない。
ミンソクさんへの想いも少しも消えていない。
このままどっちつかずで進んでいくとどちらも失ってしまうんじゃ無いかと怖くなる。
なのに、答えが出せないまま。
自分のことは自分が1番分かっているはずなのに、どうしてこうなんだろう私って。
そして、今日からある事を始める決意をした。
完全に余計な事なのはわかっているけど、どうしても確かめたかった。
始めたのは、ミンソクさんと別れたあとにそのまま駅に戻ること。
あの人が再び現れるのを待つことにした。
待ってどうするのか、自分でも分かっていなかった。
声を掛けるのか、ミンソクさんの部屋に行くのかを確かめたいのか…よく分からない。
けれど、5日経ってもあの人が現れることはなかった。
あれだけ会いたくもない時に偶然何度も会ったのに、見つけようとすると全然見つけられない。
もしかして、もう関係は終わったのではないだろうか。
そんな淡い期待を抱きつつも、なんとなくそれは無いだろうと思っていた。
ミンソクさんだって人間だから変化があれば何かしら表情にも出るはずだけど、少しも変わらないから。
溜め息を吐き出してぼうっと駅の椅子に腰掛ける土曜の午後は、雨。
天気予報では雨なんて言ってなかったのについてないや。
まだ小雨のうちに帰ってしまおうと腰を浮かせたのと同時に視界に入った。
あの人だ。
折り畳み傘を鞄から取り出して出ていくところで、慌てて自分もあとに続いた。
外に出るとパラパラと顔に雨が当たったけどまだそこまで強くは無い。
少し距離を保ちつつ歩きながら、尾行していることに良心が傷んだ。
もはや何のために後をつけているのかも分からなくなってくる。
ミンソクさんのマンションへ足を踏み入れるのを遠くから眺め、雨で濡れて額にくっついた前髪を掻き分けた。
この光景を見たのは2度目だけど、やっぱり胸の奥の方がぎゅうっと締め付けられたように苦しくなった。
2人は部屋で何をしてるの?
世間話?
ご飯を一緒に食べたりするの?
それだけなはず、ないよね?
ただ自分を苦しめるだけの行動を取った愚かさに呆れた。
いっそのこと、嫌いになれればいいのに。
そうしたらこんなに苦しくならないで済む。
そう思い、家に向かうはずだった足を再び駅へ運んだ。
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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね!どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね!私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは!わー、ミンソクさん派!ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます!ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ! (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません(笑) (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2018年3月15日 18時