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謎の美女を目で追いながらベクを待った。
思い出してほしいような、ほしくないような。
そして、女の人にある男性が近寄った瞬間だった。
｢あ、分かった｣
ベクは思い出したからだろう、表情が晴れた。
私は、今合流した男性に寄り添って自然に腕に縋る女の人を見て頭を鈍器で殴られたような衝撃を覚えた。
｢門前の病院の看護師ですねあの人！だから見覚えあるんだ！そーいや既婚者だって薬局長が残念がってたもんな〜あれが旦那さんか｣
既婚者。
あの人は、既婚者。
ミンソクさんの部屋に頻繁に出入りをして、ピアスをいちいち外したりするくらいには部屋にも長居する。
でも、あの人は既婚者で…
｢先輩…？大丈夫ですか？｣
｢ごめん…なんか急に具合い悪くなってきたかも｣
目の前が真っ暗になった気がした。
ちらりとさっきの2人を見てみると幸せそうに顔を見合わせながら笑っていた。
ねえ、どうして？
そんなに幸せそうなのにどうしてミンソクさんとまで？
ミンソクさんだって既婚者だって知ってるはずだよね？
それなのに…どうして…
｢とりあえずどっかに座りましょう｣
ベクが肩を支えてゆっくりと歩き始めたのでなんとか足を前に出して前に進んだ。
｢飲み物いります？｣
椅子に腰掛けたあと気遣うように声を掛けられたけど首を振ることしか出来なかった。
どくどくとうるさい鼓動が妙に耳に障る。
気持ち悪い。
｢落ち着くまで傍にいるんで、無理しないでゆっくり休みましょう？｣
ああ、どうしてこんなに優しいんだろう。
無償の優しさをくれるベクは、今私がミンソクさんのことを考えていているって知ったらどんな顔をするんだろうか。
ねえ、どうしてミンソクさんは…不倫なんてしてるの？
そんなにあの人が好きなの？
美人だから？
それとももっと他の理由があるの？
どうして私は…ベクじゃないの？
こんなにも優しくて、私を好きでいてくれているのに。
ずっと考えないようにしていた気持ちが一気に溢れ出した。
ミンソクさんのせいだよ。
全部、ミンソクさんの。
｢ベク…｣
小さく名前を呼ぶと優しい声が帰って来て、顔を上げると心配そうな顔が覗いていた。
それを見た瞬間言おうとした言葉を呑み込んだ。
駄目だ、言えるわけない。
“私たち付き合おっか”
そう言おうとしたのは愛される方が幸せになれるって、分かってたから。
狡い女なんだ。
そして狡くなり切れない自分はこれから、どうするんだろう。
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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね！どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね！私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは！わー、ミンソクさん派！ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます！ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ！ (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません（笑） (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年3月15日 18時
