思い切り ページ17
あんなことを言っておきながらベクが私に接する態度は変わらなかった。
いや、仕事は仕事で切り替えると言っていたから言っていた通りか。
あの後休憩中に2人になることはあっても2人で帰ることは無かった。
いつも通り私はミンソクさんと帰るしそれにたまにベクが一緒にいるくらい。
ほっとしているのと同時にモヤモヤと胸の中に何かが燻ってすっきりとしない。
そのモヤモヤは考えないようにしつつも何なのかは分かってしまっているから自分でもタチが悪いと思う。
先輩の休憩中、患者さんも来なくてぼんやりとそんな事を考えていると電話がかかってきて慌てて仕事モードに切り替えをした。
電話を出るやいなや、相手が興奮した様子で突然話し始めて頭がついて来ず反応が遅れた。
そもそも声が大きすぎて聞き取れない。
「申し訳ございません、もう一度よろしいでしょうか」
『だから!薬が足りねえんだって!』
どうやら受け取った薬が足りないらしく、かなり憤っている様子。
声から判断すると年配の男性だろうか。
「お薬が足りないんですね?それでは確認致しますのでお名前を…」
『確認するも何も足りねえんだからそっちが間違ったんだろ!』
「えっと…もちろんその可能性も御座いますが飲み間違いの可能性も考えられるのでこちらの在庫を確認して」
『俺が間違ったって言いたいのかお前は!!』
何を言っても怒鳴って返されるし最後まで聞いてもらえなくてどうすれば良いか分からない。
先輩が隣にいれば察知して変わってくれるけれど今はいないから自分で何とかしなければ…
「いえ、こちらのミスの可能性もありますので」
『だからそっちのミスだろう!』
だんだん変な汗が出てきた。
薬局長に変わるべきだろうかと受話器を持ったまま調剤室を覗くと姿は見当たらない。
薬局長も休憩中…?
『こっちは金払ってんのに少なく渡すなんてどういうことだ?年寄りだから気付かないとでも思ったのか?』
「いえ、もちろんそのようなことは…」
『これだから最近の若いやつは…年寄りを馬鹿にしやがって!』
頭が真っ白になってしまい喉に言葉がつっかえてしまう。
黙ってちゃいけないのに声を出すのが怖い。
何を言っても怒声を浴びせられる。
何をどうするべきか考えている間も私への罵声はやまない。
小さく謝罪の言葉だけが喉を抜けていき、肝心の解決策を出せない。
どうしよう、怖い。
私はどうすれば…?
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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね!どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね!私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは!わー、ミンソクさん派!ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます!ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ! (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません(笑) (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2018年3月15日 18時