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夕日がすごく綺麗で、木も草も私たちさえもオレンジ色に染めている。
それに見蕩れていると暫く黙っていたベクが口を開いた。
｢先輩ってクラスではどんな感じなんですか？｣
｢え？どんなって…普通に…普通だよ｣
｢普通に普通って！｣
笑うベクを横目で見て視線を前に戻した。
クラスにいる私を見たら本当に普通としか言いようが無いって分かるはずだ。
普通に授業を受けて、休み時間には普通にご飯を食べて普通に掃除をして帰る。
ただそれだけ。
｢じゃあ…普通に好きな人とかいるんですか？｣
驚いて再びベクを見てみるとベクも私を見ていたので目が合った。
きっとベクはクラスでも明るくて元気で、皆の人気者なんだろうな。
｢私クラスで全然喋らないから…｣
｢でも、この人いいなぁってなることありません？かっこいい人とかいないんですか？3年のサッカー部のエース確か先輩と同じクラスだ｣
｢話したことすらないのに…無いよ｣
見た目はかっこいいとは思うけど、接点が無さすぎるんだ。
恋愛感情を抱く所まで辿り着かない。
｢ふうん…じゃあ好きな人はいないんだ｣
｢…たぶん｣
｢え？何それどういうこと？｣
私の返答に驚いて大きな声を出したベクの顔は見ずに少し下を見たまま歩く。
たぶん、と答えたのは私が抱いている感情が好きというものなのか判断出来ていなかったから。
｢…ごめん、いないよ｣
｢いや、今のはいるってことじゃないですか…！え、なにそれ…｣
物凄く驚いているのも無理ないだろう。
こんな私に好きな人だなんて、想像したこともなかったんだろうな。
｢やっぱり違うと思う、好きな人では…｣
｢チャニョルですか？｣
ベクの声は少し硬い。
何かを確信したような、そんな声にも聞こえた。
｢…どうしてそう思ったの？｣
｢だって、クラスで男子と話さないなら部活しかないじゃないですか｣
それもそうだ。
当たり前の解答だ。
そしてその解答も間違ってはいない。
私はチャニョルの事が、好きなのかもしれないとここ最近ずっと思っていた。
かっこいいのにどこか抜けていて、びっくりするくらい優しくて一緒にいると凄く楽しい。
けど、
｢好きが良く分からなくて…｣
｢好きが？｣
｢うん、今まで好きな人…いなかったから｣
いつか恋をしてみたいという願望はあったと思う。
みんな凄く楽しそうにその話をするから。
でも、ずっと私には縁のない話だと思っていた。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
