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咳の波が通り過ぎると安心したような顔をして私から離れると思い出したように手を叩いた。
｢風邪がちゃんと治ったら今度ご飯行きましょうよ！ベッキョニも呼びましょ！連絡取ってないですよね？俺が連絡しておくので！｣
｢え？｣
｢あ、嫌だったら…｣
｢いやまさか！2人が良いなら今度行こう？｣
あからさまに悲しい顔をしたチャニョルに笑ってそう返した。
聞き返したのは聞こえなかったからでもご飯に行くのが嫌だったわけでもない。
チャニョルが私とベクが連絡を取り合ってないと確信していた事に驚いたんだ。
女の子達ならまだしも、仲の良かったチャニョルに私と同じ職場になった事を話していないはずが無いと思っていた。
それに前私にチャニョルも呼んで今度飲みに行こうって言ってたのに。
どうしてベクは話していないんだ？
あんなことがあったのに私と普通に接していることを他の人に知られるのが嫌だった？
｢先輩…？大丈夫ですか？今日は早く帰った方がいいんじゃ…｣
｢うん、そうする。でもコーヒー残ってるからもう少しゆっくりするね｣
｢早く治してくださいね！ご飯行くの楽しみにしてるんで！連絡するんでシカトはナシでお願いします！｣
｢あはは、ありがとう。ちゃんと返すよ、またね｣
犬の尻尾のように大きな手をぶんぶん振ってお店から出てくのを見送って、見えなくなってから無理矢理貼り付けていた笑顔をすっと落とした。
ベクにとって私は、良い思い出とはかけ離れた忘れたい過去なのかな。
凄く凄く嬉しいことを言ってくれたけれどやっぱりそれは私への表の顔で、裏ではあの日のことを恨んでるのかな。
だから、私と会ったことを誰にも話していないのかな。
そう思った途端目の前のコーヒーのカップが歪んで見えて慌ててぎゅっと強く目をつむった。
もしそうだったとしてもそれは自業自得なんだ。
私が今こうやって後悔したって変わらないしこれから先もその過去を塗り替えることも出来ない。
受け入れるしか無いんだ。
時計に目をやると午後の12時半。
そしてメッセージが1件。
“先輩、病院にはちゃんと行きましたか？”
ベクからのそのメッセージは、既読にしたのに返信をすることができなくて画面を伏せて下唇をぎゅっと噛んだ。
分からない。
私はベクと、どう接するべきなの？
ベクだけじゃない、チャニョルもだ。
2人の優しさに漬け込んであの日をぼんやりとした過去にしようとしている今の私は、最低で最悪だ。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
