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洗濯機から下着を取り出し身に付けてからノロノロと洗面所から出るとほぼ支度を終えたミンソクさんが掃除機をかけていた。
朝から掃除だなんて、綺麗好きなのかな。
そういえば初日はやたら掃除のことを気にしていた気が。
｢あ、終わりました？｣
私に気付いたミンソクさんは掃除機を止めて微笑みをむけて来たのでまた少し鼓動が速くなった。
｢はい、ありがとうございました！｣
｢お、だいぶ元気になった｣
返事にハリがあったからだろう、安心したような笑みを浮かべている。
意識してしまうとなんだか余計にかっこよく見えちゃうなぁ。
｢俺はそろそろ仕事行くのでこれ使ってください｣
そう手渡されたのは、鍵。
もしかしなくてもこれは、この家の鍵なのでは？
｢俺が出た後に病院行くんだから無いと戸締り出来ないじゃないですか｣
不思議そうな顔をしていたのか何も聞かなくても説明をしてくれた。
言われてみればそうだ、同時に家を出たらまだ病院も空いていないし借りるしかないのか。
｢でも使った後はどうしましょう？仕事終わる前に当たり前に病院も終わるだろうし…あ、漫画とかでありがちな郵便ポストですか！？｣
｢いや、次会う時でいいですよ返すのは。それ合鍵なんで｣
合鍵？一人暮らしでも合鍵は普通持ってるものなの？
もしかして元カノのために作った合鍵とか？
｢あと自分の家の鍵がどうにもならなくて友達とか弟さんもあてにならなかったらここに戻ってきてもいいですし｣
｢いやいや！流石にもうお世話にはなれないので…！｣
そう？って眉をくいっとあげて上着を着始めたのでなんとなく姿勢を正した。
これは、仕事に行くミンソクさんのお見送りをするという貴重な体験をするのでは…？
｢とりあえず、連絡先教えて貰っても良いですか？｣
見送る気満々だったので突然の申し出に意表をつかれ、はい？と間抜けな声が出た。
｢一応家がどうなったか知りたいし、教えてください｣
｢あ、そうですよね…！｣
テレビの近くに置いてある鞄の中を見る為に屈んだ時にふと目に入った小さな光。
テレビのすぐ横にちょこんと佇んで、それでも十分な存在感を放つそれに動きが止まった。
｢Aさん？｣
｢…！はい、今行きます！｣
動揺を表に出さないように連絡先を交換してミンソクさんが部屋を出ていくのを見送り、先程の場所へと戻った。
そこにあったのは、女物のピアス。
この部屋には至る所に女の影が潜んでいる。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
