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もしかしたらこのままやり過ごせるかもしれない、と淡い期待を抱きながらその場に固まった。
ベクと一緒にいるなんて1番見られたくない状況だ。


「え、ヨナ?」


ヨナと呼ばれたのはさっき私に声をかけた子。
さらにもうひとつ知ってる声が先程も聞こえたからもしかすると全員が高校の仲間なのではと冷や汗が額に滲んだ。


「5年ぶりくらいじゃない?やだ〜大人っぽくなってるし!」


「そりゃ5年も経ったんだからなってないとでしょ」


どうしようか、このまま歩き去って良いのだろうか…
でも流石にミンソクさんには挨拶をしてから帰った方が良いよね…?


いつの間にかベクが壁になるような位置に立っていることに気が付いた。
そして横目でミンソクさんを見てみると少し不自然なくらい顔を伏せて女の子の集団に背を向けて歩き出した。


「俺達先帰ってるわ」


「あ、はい!お疲れ様でした!」


呆気に取られているとベクに優しく背中を押されたので、挨拶もせずにそのまま歩いてミンソクさんと並んで駅へと向かった。


後ろからは盛り上がっている声が聞こえてくる。
きっとあの子はさっき私に会ったことを話すんだろうな。


暫く歩いてあちらからは見えない所まで来た時、ようやくミンソクさんが口を開いた。


「やっぱりワケありですか」


「はは…誤魔化しがきかなくなって来ましたね」


どう見たって私の態度は普通では無かっただろうし、あの子達が現れてから一言も口を効かなかったのはどう考えてもいつも通りでは無かった。


「ベッキョニがAさんのこと気付かせ無いようにしてるように見えたし俺もさっき顔合わせちゃってるからバレない方が良いかと思ったんですけど…」


「ありがとうございます、助かります」


ミンソクさんはふうっと小さく溜め息を吐き出しポケットに手を入れた。


「あまり話したくない事なんだろうし聞かないでおきますよ」


聞きたいんだろうな、本当は。
でも言えそうにないや。


「にしてもベッキョニ人気者ですね、女の子達が群らがってきてた」


「お喋りだしお調子者だったから女友達も多かったですよ昔から。同じ部活にめちゃくちゃイケメンがいたんですけどその子と同じくらいモテてもいました」


「喋りが上手なのは純粋に羨ましい」


確かにあまりお喋り上手ではないけれど会話に困る事も無いし気も遣えるし凄く素敵だと思うけどな。


思っていることはなんでも口に出してしまう私も何故かこの時は口を閉ざしていた。

ゆっくり、ゆっくり→←2つの盾



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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています!ありがとうございます!! (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…!ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです!切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです!更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます!私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします! (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2018年1月31日 22時

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