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｢ヒョン！｣
2人とも靴を履き替えたので外に出ようとすると呼び止める声に振り返るとベクが小走りで駆け寄ってくるところ。
子犬に見えてしまうのは今も昔も変わらないな。
｢ヒョン、忘れ物ですよ！｣
そう言ってベクがミンソクさんに手渡したのはスマホだった。
｢お、全然気付かなかった｣
｢さっき着信入ってたっぽいですよ｣
｢サンキュー｣
そう言いながら画面に目をやった瞬間、微笑んでいた顔が固まったのを見た。
けれど顔を上げた時にはいつも通りの顔。
ポケットにしまい込んだスマホの存在が気になって仕方がなかった。
ミンソクさんにそんな表情をさせた相手って？
｢俺も途中まで一緒にいいっすか？｣
｢いいね、帰ろ！｣
ミンソクさんより先に私がそう答えるとベクが少し驚いたような顔をして、すぐに目を細くして笑った。
｢いえーい、先輩と帰るのも久々！｣
三人並んで歩くのはなんどかソワソワした。
ハッキリとした理由は分からないけれどベクがいるからなんだろうな。
｢ヒョンって彼女いるんですか？｣
｢その話題はお決まりなの？Aさんにも聞かれたけどいないよ｣
呆れたような顔で笑いながら首を振るのを見つめた。
ベクが聞いたのはもしかして、着信の相手の名前が目に入ったのでは無いだろうかとぼんやりと考えた。
｢もったいないですね、ヒョンみたいに完璧な人なかなかいないのに｣
｢買い被りすぎ…俺はそんなに出来る人間じゃないよ、仕事もプライベートも｣
｢でも完璧すぎるよりはどこか抜けてる方がキュンとしません？私はしますけど！｣
ミンソクさんは声を出して笑ってフォローありがとう、と言った。
フォローではなくて本音だったのに。
まぁ今のところミンソクさんの抜けてる部分は1つも見つけられていないのだけど。
｢あ！｣
突然声を上げたベクにびくりと肩を震わせたミンソクさんが可愛く見えてにやけた口元を隠すように手で覆った。
｢そろそろ歓迎会やるって聞いたんですけど、酒飲まないと駄目！みたいなのあります？｣
｢飲まなきゃ駄目ってことは無いけど去年は結構飲まされたなぁ。もしかしてベク強くないの？｣
｢そーなんすよ、むしろ激弱｣
｢お酒の会とか超好きそうなのに！｣
｢俺はお酒が無くても酔えるんで〜｣
こうやってベクと昔と変わらず会話できていることが奇跡のように感じた。
私はその奇跡を、当たり前のようにすました顔をして受け取るんだ。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
