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あれから二年の月日が経ち、私はすっかりこの小さな町に馴染んでいた。家の中にはソファやテーブルなどの家具が増えたし、仲良しの叔母様から小さなピアノを貰って子供たちに聴かせてあげたり、町長さんと一緒に釣りをしたり。森で採れる草花を使って、装飾品や雑貨を作ったりもしている。
ここの人達は本当に優しい。狭い島だからというのも勿論あるけれど、皆家族のように接してくれる。辛い時には助け合い、楽しい時間は共有する。平和で穏やかな日々が過ぎるのはあっという間だ。
「おーい、Aちゃん。手紙が届いてるよ」
「えっ? ……誰かしら」
「さあ。名前は無いから、読んで確かめてごらん」
「そうするわ。今日は帰るね、ありがとう」
「うん、うん。明日、また息子に絵を教えてあげてくれ」
「何が描きたいか聞いておいて!」
手を振り返し、足早に家に戻ってストーブを付ける。この島は気候の巡りがややズレているので、他の場所よりも早く冬が来るのだ。これだけ冷えているなら今日は雪が降るかもしれない。買ったばかりの膝掛けを引っ張り出した。
無地の白い封筒には何も書かれておらず、ただ上品な花の封蝋で封がされている。綺麗なので剥がすのが勿体なくて、ナイフで上部を切って便箋を取り出した。この蝋はどこかに飾るとしよう。
手紙は達筆なペン字で書かれていて、文量自体はとても少ない。“元気にしているか”、“自分はよい仲間を見付け楽しくやっている”──“また会いたい。”『仔猫ちゃんへ』という宛名を見た瞬間、差出人の正体をすぐに察する。
「……私も会いたいわ。ロビン」
新たな居場所を見つけて尚私のことを忘れずにいてくれたとは、本当によい友を得たものだ。
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おはよ - めっちゃ面白い作品でした！最高です (2023年3月20日 22時) (
レス) @page44 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
白鯨(プロフ) - みうしさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます! 私としましてもまだ書きたいものが幾つかありますので、またぼちぼち気まぐれに更新しようかと思います。何卒気長にお待ちください。 (2022年11月13日 23時) (レス) @page32 id: 7a595430fd (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 大好きな作品が終わってしまって寂しい〜〜泣泣と思っていたら番外編も書いてくださるんですか😭😭是非読みたいです……！！ (2022年11月12日 8時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - 面白いです！！続き待機してます！！ (2022年10月23日 14時) (レス) @page19 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白鯨 | 作成日時：2022年5月25日 10時
