XVIII ページ18
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「貴女は細身ですから、やや大きめのロング丈のものがよいでしょう。きっと映えます」
「次に色ですが、黒にも幾つか種類がありまして。ご希望されていた“光を通さないくらいの真黒”に近いのはこちらの十二着になります」
「更に袖の形や首元のデザイン、素材、ポケットの数など、お選び頂ける点は様々で……」
「──この、真ん中のものは?」
「こちらですか。見た目はシンプルですが、裏地に
「ええ。だから服飾品にとても重宝されるのだと」
「その通りです。──このコートに用いている雪獅子はパンクハザードで捕獲されました。極寒と極暑、その両方を身一つで生き抜いてきた獅子の毛皮は、暑い場所では冷気を放ち、寒い場所では熱を閉じ込め、快適な温度管理を行います」
「……命もない、ただの毛皮が?」
「はい。本当に不思議な生物です。──クロコダイル様の現在の拠点はアラバスタだそうですね。こちらであれば、暑い砂漠でも問題なく着用出来ると思われますよ」
首元にファーの付いたデザインもお揃いです。と、サイモンさんは無邪気に微笑んでいる。
艶やかな黒生地は照明に当たり美しい光沢を放っていた。裏側のフワフワの毛皮からは、確かに微かな冷気を感じる。隠しフードと内ポケットがあり機能性も申し分無い。試着可能だと言うので羽織ってみると、宵闇のような黒はずっしりとした質量を持ち足首まで伸びた。
鏡の前で言葉を失う私に、サイモンさんが優しく笑う。
「とても良くお似合いです。あの方の隣に立つに相応しい御姿ですよ」
「…………これ、にします」
「……承知致しました。お代は後日頂く手筈になっております、是非外へ。クロコダイル様に見て頂いて下さい」
「ありがとう、──本当に素晴らしい服を作るのね。彼が気に入るのも、頷けます」
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おはよ - めっちゃ面白い作品でした！最高です (2023年3月20日 22時) (
レス) @page44 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
白鯨(プロフ) - みうしさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます! 私としましてもまだ書きたいものが幾つかありますので、またぼちぼち気まぐれに更新しようかと思います。何卒気長にお待ちください。 (2022年11月13日 23時) (レス) @page32 id: 7a595430fd (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 大好きな作品が終わってしまって寂しい〜〜泣泣と思っていたら番外編も書いてくださるんですか😭😭是非読みたいです……！！ (2022年11月12日 8時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - 面白いです！！続き待機してます！！ (2022年10月23日 14時) (レス) @page19 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白鯨 | 作成日時：2022年5月25日 10時
