秘密の恋物語【テニプリ】義弟(鳳長太郎)編完結 (ページ3)

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秘密の恋２ページ3

パーンパーン

黙々と壁打ちを続ける宍戸先輩を、私はじっと見ていた。

宍戸「...何か、やりづれぇな...」

ボールを止めて、こちらに苦い表情を浮かべる先輩。

A「！あっ...すみません...」

宍戸「...いや...

何か、悩み事か？」

汗をタオルで拭きながら少し離れた場所に座り込む先輩は、そう聞いてきた。

A「...分かります？」

宍戸「そりゃまぁ...

・

長太郎のヤツも、悩みがあると俺の所に来るからな」

A「え！」

宍戸「気が紛れるんだか何だか知らねぇが...俺とテニスしたって解決しねぇだろうによ」

A「............

きっと宍戸先輩だからこそですよ」

あぁ？と、飲み物飲みながらこちらを見る宍戸先輩。

A「何か...力貰えるんじゃないんですかね...。ちょたは、先輩の事を１番信頼して尊敬してますから」

宍戸「...信頼がなけりゃ、ダブルスパートナーは務まらねぇよ」

少し照れ隠しするように、顔を反らす。

・

宍戸「...けど、お前はそういうワケにもいかねぇだろ」

すぐこちらに向き直り、先輩は続ける。

宍戸「俺の練習見てるだけじゃ気は紛れねぇだろうし...俺が、女子の悩みを何とかしてやれる自信もねぇ。

他を当たってくれ」

そして、立ち上がり、再びコートへ歩き出した。

・

けと、途中で立ち止まる。

宍戸「...長太郎と喧嘩でもしたんなら､どっちが悪いとか関係なく素直に話せば良いんじゃねぇのか？」

そして、ボールをラケットに当て、また壁打ちをし始めた。

A「...喧嘩なら良かったのに」

独り言を呟き、私はその場を去った。