念願の思いで付き合えた彼氏のジェイドをデートに誘ったらフロイドが来た話。

29話 ページ29

日曜日、指定された場所に行くともう彼は来ていた。



A「すみません、遅れました…？」

「ん〜？まだ予定の時間10分前だよ？ヤドカリちゃん早く来すぎじゃね？」




「そんなに楽しみだったの〜？」とニヤニヤしながら私の顔を覗いてくるフロイドに少しムッとし、私より早くついている奴が何を言ってるんだと言い返してやる。


A「フロイドさんこそ、随分お早いご到着で、貴方のほうがよっぽど楽しみだったんじゃないですか？」

「そうだけど？」




平然とそう答えられて思わず「え」と声が漏れてしまう。

言い返してくると思っていたのに変に素直だとやりにくい。







「俺、新しいおもちゃで早く遊びたいタイプなんだよね」






玩具？あぁ、そういうことかとフロイドの言葉に納得する、

彼の前にはなかなかいないタイプの女だから面白いのだろう。



さっきまでは頭でも打ったのか？と思ったがいつものフロイドである意味安心する。






「じゃ、行こっか、俺はねぇ、バッシュ見たいんだよね〜」





「ヤドカリちゃんは？」と聞いてくるのでと呟く「いえ、特には…」と答えるとホントに一つもないのか？とうるさいので、貴方の好きなところに行けばいいとため息をつきながら答える。




A「フロイドさんが出かけたいというから来ただけなので、私のことは気にしないでください」


「え〜！！そんなのデートじゃないじゃん！！」




ねぇ！ねぇ！としつこいので「じゃあ、化粧品をちょっと見たいです…」と呟くと「おっけ〜」とフロイドは笑顔で答える。



私のことなんか気にせず自分の行きたい所に連れまわせばいいのに、

仮にもデートというおままごとがしたいらしい、意外と凝り性というか、律儀というか、面倒くさい性格をしていると思った。

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