０１３輪目 sternbergia ページ16
sternbergia 〜拓飛side〜
『たっくん』か…
あいつ…不意打ちはズルいだろ。
菫「拓飛、私達もそろそろ家の中に入るわよ。」
拓「了解。」
ガチャ
禰「おお拓飛、おかえり。心配したんだぞ！良かった良かった！！」
優「おにいちゃん、おかえり〜」
拓「ただいま。」
禰「それで散歩はどうだったんだ？」
菫「それがね〜凄く可愛い女の子と一緒に帰ってきたのよ〜」
禰「何っ！？やるな拓飛！何処の子なんだ！？」
菫「お隣の瘡野黄さんちの一番上の娘さんよ！も〜それは妖精さんみたいな(拓「ちょっと待った！誤解を招く言い方はやめろ！！」もう、照れちゃって！」
照れてねえし！！
拓「散歩の途中でたまたま遇っただけだよ。それにただの友達だから！」
菫「あら、もう友達になれたのね！よかったじゃない！」
禰「それに出逢えたのもたまたまじゃなくて、運命かもしれないぞ？」
拓「ンな訳あるか！！！」
俺はそっぽを向く。
…一瞬、『運命』という言葉に凄く顔が熱くなった気がした。
って何考えてんだ俺！
これじゃ二人の思うツボ…
禰/菫「ﾆﾔﾆﾔ。」
拓「ｲﾗｧ…」
禰「まあ今日はもう皆疲れたことだろうし、残りの片付けはまた明日にして夜ごはん食べに行くか！」
優「さんせー！」
父さんのその一言で今日は外食をすることになった。
その後、家に帰ってからはお風呂に入ってすぐベットに入った。
新しい部屋には新築特有の懐かしいようなにおいが漂っている。
疲れた。
今日一日、いろんな事があったな…
《柊「じゃあまたね、たっくん！」》
ふと脳裏に咲く白いアイツ。
…あいつならこういう時、なんていうんだろう…
起き上がり、階段を降りてリビングのある一階へと向かう。
拓「父さん、ちょっとスマホかして。」
父さんからスマホを借り、ブラウザで『花言葉一覧』というサイトを開く。
『花言葉』と下へスクロールしながら略読していると、ある言葉が目にとまった。
拓「『ステルンベルギア』…か。」
拓「ありがとう。お休み。」
禰「ああ、お休み。」
『花言葉』
俺も少し、勉強してみようかな。
机の上でコデマリの栞が光っていた。
……………………………………………………………………………………………………………………
ステルンベルギア
花言葉…待ちきれない，期待，じれったい，無駄な事，あなたを愛してます，安息，あなたは魅力に富んでいる
誕生花…1/7,10/4,10/21,11/8
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作者名：博士 | 作成日時：2019年12月8日 11時
