あなたの隣で ページ43
(your side)
今日が来るのをどれほど待ち望んだことだろう。
ジュニに会える。
それだけが、私の心を保たせてくれていた。
玄関先で私を抱き締めてくれたジュニ。
私が泣き止むまで、「大丈夫だよ」とずっと言葉を掛けてくれていた。
ジュニは綺麗な群青色の髪になっていたけれど、それ以外は何も変わらない。
それが、大きな安心感をもたらす。
昨日のうちに買っておいた、ジュニの好きなミルクティーを出す。
すると、ジュニの目がパッと嬉しそうに輝いて。
JN「……りがと……」
……ああ。
わかってはいたことだけれど。
JN「ごめ……はや……、A……くて」
コートを脱ぎながら、笑顔で嬉しそうに話しかけてくれるジュニ。
……だけど。
近くにいないと、ジュニの声を上手く聞き取れない。
この調子じゃ、遠くにいる時は彼の声に気づくことすらできないのかもしれない。
近くで話してもらっても声が少し遠くて、篭った声に聞こえる。
私の知っているジュニの声とは少し違う。
……私はもう、前みたいにジュニの声が聞こえないんだ。
JN「……！？A、どうしたの！？」
ジュニの声が聞こえない。
その事実がずしりと重くのしかかってきて、ようやく止まったはずの涙が再び溢れ出す。
ああ、ダメだ。
感情のコントロールができなくなっている。
今日だけで、私の何年分の涙を流しただろう。
突然泣き出した私に、ジュニはびっくりしたように私の所へ飛んで来て、背中をさすってくれた。
JN「具合悪いの？大丈夫？」
綺麗な瞳が私の顔を覗き込んできて、また涙を拭ってくれる。
『……もう、前みたいに聞こえないの。大好きなジュニの声が……前みたいに、ちゃんと聞こえないの』
ずっと聞いていたいくらいに大好きな声。
何よりも私を安心させてくれる声。
それがほとんど聞こえなくなるなんて、なんて悲しいことなのだろう。
どこまでも続く、深い闇。
以前よりもずっと静かになった世界。
ジュニの声が届かない世界。
怖い。
怖いよ、こんなの。
『ジュニ、私……こんなの、嫌だよっ……！！』
音のない世界は、私にとって色の無い世界と同じ。
昔は見えていたはずの色が、徐々に色褪せていく感覚だ。
果てしない恐怖が私の耳を、体を蝕んでいく。
苦しくて苦しくて仕方がない。
どうしようもなく、消えてしまいたくなった。
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来栖(プロフ) - セナさん» セナさん、ありがとうございます。必ずハッピーエンドにします！続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (
レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - てじさん» てじさん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - 景夜さん» 景夜さん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
セナ(プロフ) - 初コメ失礼します、、、！一難去ってまた一難😭😭パルちゃんとジュンくん、セブチのみんなが幸せになりますように……！更新応援しております🥹🥹 (2022年10月22日 9時) (レス) @page47 id: b2769f16fb (このIDを非表示/違反報告)
てじ(プロフ) - パルちゃん....お話の中だけどステージで輝いてるパルちゃんがもう一度読みたいよお😭どうなってしまうのか🥺 (2022年10月22日 7時) (レス) id: 677831959c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：来栖
| 作成日時：2022年10月1日 17時
