記録係。【アンナチュラル 】

労働 ページ44

ミ「労働って罪なんだって...人は皆 罪人で､罪を贖うために働いてる｡だから1分でも早く仕事を終わらせて家に帰る...｣


駅のホームの階段を降りながらミコトさんが言う｡
そして、「あ、私ここで！おつかれー」と
ミコトさんと別れる。



六｢なんか...それを聞くと働きたく無くなりますね(笑)｣


『まぁ､何が幸せかなんて人それぞれだと思うよ...じゃあ､私もお疲れ様でーす』


六｢あの...Aちゃんはどうして働いてるの？｣

『…ご家族にスッキリしてもらうため。』

六｢どういうことですか...？｣

『…大切な人の死は悲しい。だからこそ少しでも原因を突き止めて少しでもスッキリしてほしい。分からないっていうのは…とても不安だしずっと悲しい思い出として残る。…まあ、結局はただの自己満。...六郎くんは？』

六｢いや､俺 働く理由とか見つかってなくて...｣


俯き加減にいう彼に笑ってしまう。

『無くてもいいんじゃない？
今まで無くたってここまで働いて来たんだし。
そのままでいいんじゃないかな？
給料入ったらこれ買うーとか､
目標程度でいいと思うけどなー
...誰かの為に働くとか？(笑)｣


納得したように頷いた六郎くんの頭を
段差に登ってくしゃくしゃと撫でる。

六「うわ！やめてよ！！」

『ミコトさんに撫でられた時は、喜んでた癖にー！
…じゃ！今度こそさよならー！』

遠くから「喜んでなんかいないー！」と
六郎くんの声が聞こえたが知らないふりをした。

ラボに戻ると木林さんの車に中堂さんが
乗り込むところだった。
…喪服…まさか！！！

『中堂さん！！木林さん！！』

中「やっと来たか、なんで電話に出ない。」

『…着信52件って。』

木「かけすぎですね」

中「うるせぇ。…出たぞ。」

『私も服だけ持ってくるので！待っててください！』

中「早くしろ」

『はいー！』

ラボ内にある、私の喪服。
…いつでも置いてある。こんな時のために。

＿＿＿

中「A…どこで着替える気だ。」

『え？車の中で』

中「…っ！！馬鹿か…！！！」

『中堂さんが前に乗って、私が後ろで着替えるんです！それしかないじゃないですか！』

木「もし、後ろを見ようとしてたら私が止めますね。」

『お願いします。』

中「…！ふざけるな！」

＿＿＿

なんとか、葬儀場についた。
中堂さんは手を合わせてから、ご遺体の口の中を覗く。

遠くの方で、何か物音がした気がするけど
気のせいかな？

シャワー→←マンホール

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