あなたにピントを合わせたい (ページ33)

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無事に誰にも会うことなく

指定された席にたどり着くことができた

周りを見渡すと人、人、人

こんなにたくさんの人が溢れるところに来たのは

覚えてる限りでは初めてだと思う

関係者が座るところだと聞かされていたから

見切れの席だと思っていたのに全然そんなことなかった

どちらかというと良い席

いや、良すぎる席だった

「ねぇ、ここ通るんだよね？」

ゆ「そうっぽいですね… 」

「こんなの絶対バレるじゃん」

目の前に通路みたいなのがあるから

メンバーのみんなが通る場所なんだと思う

さすがに帽子にサングラスにマスクは場違いすぎるから

マスクだけつけておくことにした

廉くん以外は私の印象は

帽子にサングラスにマスクだと思うから

気づかれない可能性はなきにしもあらずだ

ゆ「もう始まりますよ！」

＇はいっ、これ！＇

そう言って手渡されたのは手鏡みたいなもの

「これなに？」

ゆ「ペンライトですよ！」

みんなは各々コンサート中は

好きな人のメンバーカラーを光らせているらしい

私は目の前を通る人の色を光らせようと決めた

ゆいちゃんが何度も

メンバーカラーを覚えろと言っていたのは

このためでもあったのか

とりあえずポチッと電源を入れてみると赤色に光った

これは紫耀くんのメンバーカラーだ！

とりあえず全部の色を確認して

初めは紫耀くんのメンバーカラーを光らせておいた

そうこうしているうちに

キャーという歓声が響き渡った

いよいよ、

彼らのファーストコンサートの幕開けだ

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