【短編集】星空で煎るコーヒー

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家に着くとソファに誘導され、
そのまま膝の上に乗せられる。

なにこれ、恥ずかしい。









「駅でみたとき、めちゃくちゃドキドキして
心臓もたんかも、ておもて。

そしたら男に話しかけられてるし、
もうパニックになってもうて、焦った。」





「俺に会うために買ってくれたんやって思ったら
ほんま堪らんくて、…けど、
そんな格好したら俺、不安になってまうかも。」









「年上のくせに余裕なくてほんま情けない」
という田上さんの表情があまりにも愛おしくて、
すきで、好きで、抱えきれない。







「普段からずっと余裕ぶってるけど、
俺まじで余裕なんか一個もないねんで。
ただでさえ年上やし、理性飛んだら自分でも
何してまうかわからんから必死に抑えてるねん。

大切にしたいねん、ほんまに好きな子やから。」






やっぱり田上さんは、大人だ。
私の浅はかな不安なんてすぐに取り除いてくれる。
ほんまに好きやで、と頭を撫でる手は
いつもよりずっと温かくて、この手を離したくないと
ゆるく巻いた髪も共感してくれている。









するっと髪に指を絡めて遊ぶ田上さんの手を取る。











『私も、大好きです。
大好きやから、もっと触れたいです。

あと、理性飛んだ田上さんも、みてみたいです。』














「それ、どういう意味かわかってる？」












子ども扱いだと思っていた行動が愛だと知ってからは
全部が告白に聞こえて。



ならばとことん、年下らしく我儘言わせてもらおう。
全部受け止めてくれる貴方だから。









初めて私からしたキスは少し位置がずれる。
そのまま離れようとした頭を抑えられ
細かくキスを落とされる。


何回目かわからないキスで足りない酸素を求めて
口を開けると、すかさずスルッと入ってくるそれ。



ゆるく絡まり、離れて、
いつのまにか身体はソファに預けてしまっていて。








「Aが思ってるより、男ってガキやねん。
好きな子に煽られたら簡単に理性飛ぶで。

けど、ほんまに嫌になったら蹴って止めてな」













優しく身体を撫でる手と、
首より下に落ちてくる唇は、私の知らなかったもの。

5個上の経験値の差に嫉妬しつつも、
いまは全て私のものだと思ったら堪らなく嬉しくて。











「ほら、腰あげて、」
買ったばかりの服を丁寧に脱がされ、
全てを暴かれるころには
無責任に煽った自分に後悔しつつ、
こんな日も悪くないか、なんて思っている私がいた。

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