◆ロベイラ種 ２ ページ9
私のためだけに建てられたのだという塔には十分な広さがあるし、何をするにも不便はない。
けれど……、私はずっと外の世界に憧れていた。窓の外に広がる、外の世界に。
『ずっと、憧れていたの。』
私が視線を窓の外へと向ければ、つられたようにザラも視線を窓から見える真っ白の空へとやる。今は雨雲のヴェールに薄く覆われてしまっているが、もうしばらくすれば雨もあがり、陽が顔を出すだろう。
本当に、やっと……。
これまでも幾度となく、外に出たいと私は父や兄に訴えてきた。そしてその度に、お前のためなのだからといって我慢させられてきた。
今回、１６歳の誕生日を迎えるにあたり、ようやくそのパーティーを外で開く許可を得ることが出来たのだ。
おかげで、ザラや他の使用人のみんなの仕事を増やすことになっちゃったんだけど……。
例年通りならば、塔の中で家族で祝うのが私の誕生日の過ごし方だった。それを、貴族の娘らしくパーティーを開くことになったのだ。
ザラや、他の使用人がてんてこまいになるのも仕方のない話だ。
ガーランド家はウェブリンでも三本の指に入る名家。その一人娘の誕生祝いともなれば、本来なら大々的なパーティーになってもおかしくない。
ｻﾞﾗ「それにしても……。本当に、エドガー様もよく折れましたよね。」
『ね……本当に。』
お父様としては耳にタコが出来るほど、私としては口が酸っぱくなるほど、同じことを話し合ってたわ。
外に出たいと言う私と。外に出すわけにはいかない、という父親と。
『……はあ。』
ｻﾞﾗ「エドガー様も、何もお嬢様が憎くて閉じ込めているわけじゃないのは、お嬢様も知っていらっしゃるでしょう？」
『……うん。』
幾度となく繰り返したやりとりを思い出して、つい溜息を吐き出してしまった私に、とりなすようにザラが口を開く。
『お父様が、どれだけ私を大切に思ってくれているのか。痛いほどに、わかってるわ。』
そう、知っている。だからこそ、苦しかった。
お父様が意地悪や悪意で私を閉じ込めていたのならば、私ももっと抵抗しやすかったと思う。
けれど、お父様が私を塔から出そうとしないのは私のためだ。
ｻﾞﾗ「お嬢様は、ロベイラ種ですからね。エドガー様は、心配で仕方ないんですよ。」
『…………。』
お父様が、私を塔に閉じ込めた理由。
それはずばり、私がロベイラ種だからだ。
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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (
レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました！！ よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください！！！ (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバﾃﾞｽ (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒメア | 作成日時：2016年3月9日 20時
