◆貴族のお嬢様 ２ ページ44
……外歩きではしゃいで転ぶなんて、まるでパールやリッチーみたい。
あれくらい幼い子供であれば可愛いかもしれないが、１６歳にもなった私では間抜けなだけだ。ぱたぱた、とドレスの裾を払って立ち上がり……。
？「…………。」
そこで、何ともいえない顔をした彼と目があった。
『…………。』
格好悪いところを見せてしまった気まずさ故にうろりと視線をそらしかける。……が。
……あ、そうだわ。
私は、気恥ずかしさをこらえて彼へと向き直った。うまくいかなかったとはいえ、彼は私を助けようとしてくれたのだ。
『……支えようとしてくれて、ありがとう。ついでに、今見たことは、そっと記憶から消してくれると嬉しいんだけど……。』
彼は人の失敗を笑い者にするタイプには見えなかったが、一応口止めもしておく。
？「…………。」
『？』
お礼を口にしたところ、彼はますますよくわからない顔になった。甘いと思って口に入れたお菓子が、酸っぱかった、とでも言うような顔だ。
『ど、どうしたの……？』
？「……オマエ。オレが何なのか。わかっているのか。」
『なにって……。』
わかっているか、と聞かれればわからない。
わからないことばかりだ。何の意図があって私を攫ったのか。誘拐犯なのか、そうじゃないのか。それともメヨーヨとオージェに何か目的があるのか。
『聞いていいの？ さっきから、色々と気になっているんだけど……。』
？「…………。……違う。そういうことじゃない。」
『……？』
？「オレは……、狼種だぞ。ウェブリンを呪い、病を撒き散らし、人を襲う狼種だ。」
―――…なるほどね。
そこまで言われて、私は彼が言わんとしていることを察した。彼は、私が彼を狼種として恐れないことに対して物申しているのだ。
『怖がったほうがいいの？』
？「…………。」
私だって、狼種がどういうものなのかは知っている。お父様やネッソ、ザラからも聞かされたことがあるし、本で読んだことだってある。
でも……、それだけが全てじゃないわ。
私には、今目の前にいる彼がそんな危険な存在であるようには思えない。
？「…………。」
『…………。』
彼の隻眼と、視線が交わる。探るような、私の本心までを見透かそうとするような目だ。
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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (
レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました！！ よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください！！！ (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバﾃﾞｽ (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒメア | 作成日時：2016年3月9日 20時
