◆貴族のお嬢様 １ ページ43
『…………。』
？「…………。」
森の中を歩き始めてから、どれくらいの時間がたっただろう。私たちはひたすら森の中を歩き続けている。何か変わったかと言われれば……。彼が私の手を放した、ということぐらいだろうか。
といっても、私が何か不審な行動をとればすぐに反応されてしまいそうな距離にはいるのだけれど。
『…………。』
？「…………。」
ちらり、と横を歩く彼の横顔をうかがってみた。前のみを見据え、口はへの字。黙々と歩き続けている。
……なんだかなあ。
当初自身に言い聞かせた通り、彼は誘拐犯で私は人質。そう思えば会話がないのは、まあ妥当なところだろう。
私としても、周囲を眺めているだけでも楽しいので、沈黙が苦になるというわけでもない。
初めて歩く森だもの。
いつも、塔の上から見下ろしていた森の中を今自分が実際に歩いているのだと思うと色々感慨も深い。
あの生い茂る緑の屋根の下、森の中はどうなっているのだろうとずっと想像していた場所を、今私は自分の目で確かめることが出来ているのだ。楽しくないわけがない。
……だけど。
やっぱり、気になってしまう。
どうして、彼は忍び込んできたの……？ どうして、私を攫ったりしたの？
そんな疑問が喉元までこみ上げる。何かの拍子にポロリと質問してしまいそうだ。
……聞いてもいいのかしら。
聞きたい。
？「…………。」
黙々と歩き続ける彼は、機嫌が悪いというよりも私へと無関心なだけのようにも見える。質問をしたぐらいでは、この状況が悪い方向に転がるなんてことはないような気がした。
……よし！ 私から話しかけて……。
『ねえ、』
と、私が口を開きかけたタイミングだった。
『……！？』
どうやら私は、彼へと話しかけることに気を取られすぎてしまっていたらしい。足元に張り出した木の根に気づかず、思い切り足をひっかけてしまった。
転ぶ……！！
『きゃっ！！』
前に転びかけたところで、腕を取られて強く引き寄せられた。
『……いたっ！』
がくん、と体重がかかった肩が痛んで、つい小さく声をあげてしまう。
？「……ッ！」
それに驚いたのか、彼がパッ、と手を離した。
『えっ！？』
…………。
……結局転んでしまった。
まあ、当初よりも勢いはだいぶ殺せたので、転んだというよりも軽く膝をついてしまった、という状態に近い。
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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (
レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました！！ よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください！！！ (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバﾃﾞｽ (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒメア | 作成日時：2016年3月9日 20時
