◆童話と現実 2 ページ17
パールとリッチーの無邪気な疑問に、私は言葉を濁らせて苦笑する。
私にその気がないというか……。あまり現実味がないのよね。
私自身は、メヨーヨがそう望むのならば王宮に上がってもいいとは思っている。貴族の娘として生まれ、育ったからには自由恋愛が出来ないことは覚悟の上だ。家のためにこの身を役立てることが出来るのならば、それはそれで構わないと思っている。
これまでさんざん貴族の娘として、大事に育ててきてもらったんだから……。それに、私自身メヨーヨについて悪い感情を抱いているというわけではないし。
好きか、と問われれば首を傾げてしまうが、結婚を前提に交際をするなんて、貴族間では珍しくない話だ。
結局、過保護なのよね……。
それだけ大事にされていると思うと、嬉しいような、申し訳がないような、そんな気持ちになる。
ザラ「……(人1)お嬢様?」
パール「(人1)ちゃん、どうしたの?」
リッチー「ぼんやりしてるね。何か考え事?」
『あ、ごめんなさい。大したことじゃないの。それじゃあ、行きましょうか。』
ザラ「…………。もう少ししたら、ネッソもこちらに着きますよ。時間になったら、ネッソに呼びにいってもらうことにしますから、散策を楽しんできてください。」
『わかったわ。って……、ネッソ、パーティーに間に合いそうなの?』
ザラ「あのネッソが可愛い妹の誕生日に駆けつけないわけがないじゃないですか。何をしてでも間に合わせますよ。」
『…………。』
何をしてでも、との意味ありげなセリフにひっかかりを覚えてしまうが、気にしないでおこう。
『間に合いそうならよかった。せっかくのパーティーだもん。ネッソもいてくれたほうが、嬉しいわ!』
自然と笑みが浮かぶ。ネッソ・ガーランドは私の歳の離れた兄妹。本当は血が繋がっていないと聞いた事があるけれど、あまり深く考えた事はない。
だって、本当のお兄ちゃん以上に私に優しくしてくれるから。ネッソは私のお兄ちゃん。その真実だけ、あればいい。
成人し、騎士の位を授かった彼は、最近は遠くの街に派遣されていた。
確か……、北のほうにあるビアレスだったわね。
こまめに手紙だったり、贈り物だったりを届けてくれる優しい兄だが、やはり今日直接会えるのは嬉しい。
特に、最初の話だと少々仕事が立て込んでいて、パーティーに間に合わせて戻ってこれないかもしれないと聞いていたのだ。
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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました!! よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください!!! (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバデス (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒメア | 作成日時:2016年3月9日 20時