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「失礼します」
その日の午後、私はこのビルの最上フロアにある
役員室へと向かう
そもそも、入社して一度もこのフロアには踏み入れたこともなく
エレベーターから降りると
同じビル内なのに、壁も重厚で
床にも絨毯張りになっていた
その雰囲気ですら飲み込まれそうになり
私には無理だと思い踵を返そうとしたところで、
乗ってきたエレベータがタイミング悪く扉が閉まり
降りて行ってしまう
自分働いているフロアと違って
不気味なくらい静かで
本当にこのフロアに人がいるのかすらもわからない
私はそのまま、奥の扉まで歩き
その大きな木製の扉の前で一呼吸する
その傍には
大きな花瓶に秋色の落ち着いたバラやダリアが生けてあった
そういえば、今年の夏ってあっという間だったなと
ここ最近の仕事の忙しさと
部長との関係の展開の速さに
季節を感じている余裕はほとんどなかったことに気づく。
何してんだろ私・・・
ちゃんんと理性はあったはず
ちゃんと、これはダメなことだってわかってたはず
・・・
なんか、この深紅のバラが部長に似合いそうだな
なんて思ってる時点で私はバカだったんだなって思う。
でも、まぁ
結婚の予定も無いアラフォーの私には
将来、老後の事を考えると
やっぱり、この仕事は私にとって安定は間違いないし
こんなチャンスはおそらく二度とない
ドアをノックしようと手をゆっくり上げる
でも
でも・・・この扉の向こうが未知過ぎて
正直怖い
ふぅ
深いため息をつき
自分の犯した罪はちゃんと償おうとなんだか少しばかり犯罪者のような気分で
ゆっくりと、そのドアをノックする
・・・
中から反応が無いので、
再びノックしてみる
すると、中から懐かしい女性の声で
「どうぞお入りください」
と聞こえ
私は鼻から大きく空気を吸い込み
「失礼します」
と言って、その重々しい扉を開いた。
開けるとすぐに、ガラスの向こうに
最上階から見える景色が広がり
廊下の落ち着いた雰囲気とは違って
明るく、開放的な部屋だった
「久しぶりね今井さん。覚えているかしら？」
そう話てくださったのは、忘れもしない私が
入社したての頃、社会人としてまず一緒に立ち会ってくれていた
女性
「高橋さん、お久しぶりです。」
「もう１０年以上も前かしら」
「・・・そうですね。私が新人で入ってしばらくしてすぐに・・・」
そう言うとにっこり笑った高橋さん
「そうね、１年くらいかしらすぐに私、ここの秘書に移動になったから」
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結愛(プロフ) - 忙しい中での更新ありがとうございます。主人公ちゃんが抱える不安、寂しさが痛いほど伝わってきました。新しい一歩、踏み出すのに勇気いりますよね。がんばれ主人公ちゃん！がんばれ私！がんばれ紫姫先生！どうか無理をしないでください。 (2021年10月6日 20時) (
レス) @page32 id: 97d8296d02 (このIDを非表示/違反報告)
yashuchar1031(プロフ) - 部長嫉妬！！wこれはあと何回移行するのでしょうかww読み手としてはいっぱい読めて嬉しいですがwww (2021年10月2日 15時) (レス) @page30 id: 4cc73d8fe3 (このIDを非表示/違反報告)
yashuchar1031(プロフ) - やっぱりw お願いだからそれだけは他のものよりも丁寧に梱包してくれーとかw思いますもんねw当時は量もえげつなかったので、旦那にも見られたくなかったのでいち早くやりましたww今でさえも見られないようにしまわれてますww (2021年10月2日 15時) (レス) id: 4cc73d8fe3 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - いつも更新ありがとうございます。主人公ちゃんの本当の想いが溢れ出てましたね。部屋の情景、雰囲気が見えてドラマ見てるみたいです。部長、どう出てくるのか気になります。どうか無理をしないでください。 (2021年9月28日 20時) (レス) @page30 id: a9eaa1d524 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - 結愛さん» 潤くんも結構スイッチ入ったら凄そうだもんね・・・ (2021年9月28日 15時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2021年9月3日 16時
