コーヒー時々オムライス

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「うん・・ごめん、
じゃあ、またあとで、かけなおすわ」


そう言って電話を切り、
スマホを、シャツの胸ポケットに入れる

・・・

「さて？
聞こうかな？」

・・・

そう言って私を自分の方に向かす


「ん？仕事サボって、
コーヒータイムか？」


・・・

「あぁ、いやあの
ちょっと煮詰まってしまったので・・・？
頭をスッキリさせた方が仕事の効率は上がるかと思いまして？」


と口では言ったものの

私の頭の中では
「記念日」「ミナ」のワードだけが
グルグルと回る

「ふーん？
っで？正面だとサボってるのがバレそうだから
わざわざ、業務用のエレベーターで」


「そうそう、そんなんですっ
ほら、ここからだったら誰にもバレないし？って
いやいやいやいやいや
違いますって」


「おまえ常習犯だろ」


「いえ、滅相もございませぬ、
今日は、たまたま出来心にてござるっ」


ひぃぃ
何言ってるんだ私


「でた、謎のキャラ設定
でも、確かにここは死角だな」


「でしょう？
部長もぜひ」

「サボれるかバカ」

「あは」

私は笑って見せる

「あはじゃねぇし
さて、仕事サボる悪い子は
注意しとかねぇとな」


「・・・え」


私が一瞬たじろぐと
掴まれていた手にキュっと力を入れる


「コーヒー没収」


「嘘っ」


「当たり前だろ？」

「それって、恐喝じゃん」

「あ？誰が恐喝だって？」

「いえ。。何もござりませぬ
あ・・ちなみに、
今日のコーヒーは・・・」

そう言って部長の顔を見る

「えっと・・・なんだっけ？」

そう言うと
私の目の前で噴き出す部長

「忘れたのかよ」


「だって、やたら長い名前だったんです・・・
あ、でも味は優しくて、ふくよかな味わいだと
言ってました」


「ふーん、じゃあ没収」


「えぇぇぇ」


「えぇぇぇじゃねぇし」


私が渋々カップを部長に渡すと


ニヤッと笑った部長に思わず


「ジャイアンかよ」

と漏れてしまう

「何て？」

「あ・・いえ
なんでもござりませぬゆえ、
どうぞ、ご堪能くださいませ」


というと
声を押し殺して笑う部長は
そのカップを手に取り、
そして口をつける


「あ・・・
確かに、ホッとする感じだわ」


「ですよねぇって、
私もお店で一口口をつけただけです」


「あはは
でも、俺としては
もう少し、なんだろ奥深くしたいよなぁ」


「奥深くですか？」


「あぁ」

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