コーヒー時々オムライス

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近い・・・
近すぎる


「何？」

「あ・・いや、
正反対だな？って思いまして・・・」


「そう？」


近い・・・

そう？と聞いたその声が
私の耳の奥をくすぐる


さすがに
これは・・・
ちょっと


「これさ・・・」


「はい？？？」

「声裏返えってんぞ」


「そんなことありえないズラ」



「ズラって・・・なんだよ
それよか
ほら・・ここ間違えてる」


え？

私は思わずPCに近寄る
疲れてたんだろうか



「どこです？」


「ほら、ここ」


「え？どれです？」



私が真剣にその画面を食い入るように見つめると
部長は
私の顏に近づき


「何さっきから期待してんの？」

と耳もとで囁く

「・・・」


「だから、さっきから何期待してんのって？」


「・・・し
してませんっ」

「してんじゃん」


トクンと激しく胸を打つ



「ふーん
そうには見えないけどね」

「それは・・・
部長が」

「俺が何？」


「ち・・・近いから」


「そうね」

「そうねって」


期待してないって言われたら嘘になる
というか
期待じゃなくて、むしろ希望



「わ、ワザとですか？」


「そうね」


「何のためにです？」


「うん？
そんなのあれじゃん」

「あれって？」


「お仕置き」


「へ？」

予想外の答えに
思わず、部長の方を振り返ってしまう


「俺の前で、イチャつかないでくれます？
ここ会社ですが」

「あの・・それは」

そう言いかけたら
チュッとその口を塞がれる

んっ
ダメ


昨晩と同じ甘いキス
それを何度か繰り返し

そして離れる

「部長・・・ここ会社です」


「そうね」

「そうねって」

「まぁ上司の特権
さて、これ・・・いつ帰れるの？」


そう言って私から離れる


「あ・・・あと少し」


「今夜も泊る？」


私がバッと部長を見る

「どうする？」

・・・


「いえ・・・部長
今日は帰られた方がよろしいかと」


「なぜ？」

「それは・・・
流石に3日連続で同じ服だと
外泊したと言う噂より
Aさん、マンション追い出されたんだって
思われかねません」


「ぐはっ
そっちかよ」

「…残念ながら、
男に縁がない私は、
そっちの噂の方が立ちやすいかと」


あはははと声を出して笑う部長

「そっか
じゃあ仕方ない
俺がこっちにグラフ作るから、
それをおまえ張り付けてって」

「そんな部長まで」

「え？部下の手助けするのも？
俺の役目だし？
なんなら、違う方でもケアしますが？」


「け、結構ですっ」

私はデスクのカップを取り
口を付けた

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