追想-TUISOU-１０ Secretな彼女番外編 (ページ7)

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「終わってねぇ、だって、この３年の間
俺らどれだけ愛し合った？」

「・・・」

俺はジッとリンを見る

「翔・・ごめん、愛し合った？っていうのはちょっと違うと思う
翔には、彼女がいて、
たまたま仕事で大阪に来た時に会ってただけじゃん
言ってみたら、私もだけど、翔にとったら、
都合がいい相手だっただけでしょ？」

「俺は、好きでもねぇ女抱かない」

・・・

・・・

「矛盾しすぎだよ
じゃあ、彼女は？」

「好きだよ・・それは・・まぁそうじゃん」

「私は、彼女を傷つけるのもこれ以上
絶対無理」

「だから、別れたんだよ」

リンが俺を睨むように見る

「ちょっとそれ私のせいにしないでよ」

「そうは言ってない・・・
あああ、もう、違うんだって、こんなこと言いに
こんな遠くまで来たんじゃねぇって」

まとまりがつかない自分に腹が立ってくる

「お願い、ほんと離して
私は、前に進みたいの」

その苛立ちが、
リンにも伝わるみたいで
余計に嫌な思いをさせている

俺は深く息を吐いた

その時
突然、フランス語でアナウンスが流れ
俺らは、ピタっと止まる

そして続けて、英語のアナウンスが流れる

「ごめん、ほんと私行かなきゃ・・・
アナウンスかかってるし」

「は？おまえさ、俺がバカだって思ってる？」

「何がよ」

「俺だって、これくらいの英語の聞き取りはできるわ」

「・・・」

「リスボン行きの飛行機は、この嵐で欠航だわ」

リンが唇を軽く噛んだ

俺はリンの手を引き
とりあえず、
落ち着けそうな場所に移動する

・・・

「とにかく、明日まではお互い時間ができたわけだ」

「・・・」

「ゆっくり話そう、リン」

「・・・ストーカーかよ」

「は？
あぁ、そうかもね
こんなところまで追いかけるくらいだからね」

そう言うと、あきれた顔で俺を見て
フッと息を漏らし
ようやく笑ったリン

「はぁ、とりあえず、次の便がどんな状況か聞いてみる」

「どんなって、おまえの旅はここで終わり
見たことのないそんな結滞なやつに、
神様も会うなって言ったからこの嵐なんだよ」