Dark Chocolate ページ1
「んっ・・・」
彼が苦い顔をした
それでも、かまわず
それをお互いの熱で溶かし絡め
唇の端から少し滴る
次第にその苦さは独特な甘さに変わり
お互いの口内を
行ったり来たりする・・・
鼻から抜けるその香りは、
チョコというよりも、
もはやカカオそのもので
その香りが脳を刺激する・・・
まるで自分を見失わないために
覚醒するかのようだ
口内でそれを溶かしながら
ゆっくりと腰を動かす彼
「・・んっ」
つながっているのは、
その香りだけじゃない・・・
「んっ」
2月だというのに、
彼の背に腕をまわしたら、
その汗を手の平が感じとる
「もっと感じて？」
彼が唇を放すときが
その合図
彼の狂いのない律動が
やがて激しさを増していく
私もそれに答えるかかのように
身体をしならせ
いくつもの波を超えていく
「ああぁっっ」
お互いに昂り、
彼が果てたと同時に
私の中で衝撃が走る
彼は倒れるように
一回り小さい私の体を抱きしめた
耳元で、今なお、
彼の息は荒く
そして、私の膝は、
カクカクと小さく震えていた
カカオの香りが彼の荒い呼吸とともに
私の鼻腔へと広がる
「Aさぁ・・」
呼吸が乱れて
言葉が出ない
「力入れすぎ・・・
どうした？今日は？」
少しだけ体を浮かせ、私の顔をみる彼
汗が額を伝う
私は手を伸ばして
その汗を指でなぞる
「・・・別に？」
呼吸を整えながら、彼を見つめる
「ふっ・・まだ膝震えてるじゃん・・・」
そう言って、
まだつながったまま
私の外腿をさする
私の顔をもう1度見て
優しく笑い
枕元に置いてある
さっき口に入れた
チョコの包んであった空紙を手にして
「ほんとさ・・・
昔からさ好きだよな・・・これ
苦すぎだろ？」
と、私に包み紙を見せる彼の指には、
銀色の誓いが
ライトに照らされて光り
それが妙に妖艶に映った
「いいの」
そう言って、彼がチラつかせたその空紙を
取ろうとすると
その手をパッとつかんだ彼
そして、
空いてるもう片方の手も絡める
そこにもまた彼とは
全く違う形状の銀色の誓いが
私の薬指をも止めていた
両手を固定された状態で
笑みを溢す彼
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紫姫(プロフ) - Fowさん» ふみさん♪ミニチュアダックスの？いつもありがとういございます。普段はどちらかというと、楽しいお話の方が多かったのですが・・・最近ちょっと病んでるみたいでｗ 基本、いつもHappyエンドです・・・たぶん・・・ (2020年2月14日 22時) (
レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
Fow(プロフ) - こんばんは！Twitterではふみです。読みには何回も来てるのにコメントがなかなか書けなくて。今回の短編もやっと見れました。紫姫さんの話は心が痛くなりながら読むのでコメントも遅くなりましてごめんなさい。最後のセリフの愛してるが二人の関係の形なのかなと。 (2020年2月13日 22時) (レス) id: 9b45964e73 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - れもんさん» まぁ賛否両論あるかと思いますが・・・ｗ この二人に関して言えば、絶対領域さえ守ればいいので、お互いのバックボーンについては 興味がないので、傷つけようとは思わないっていう所にも、少しその要素があるのかもしれないです。 (2020年2月12日 15時) (レス) id: 798db29bb2 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - 莉依さん» 生きていく上で、安心できる場所って実際にはなかなかオトナになってからだと見つからないものでｗ この二人に関しては、10代の頃からその場所をお互いにみつけていたということになります。 そして、知らず知らずのうちに、その場所を守ってきたんじゃないかなって (2020年2月12日 15時) (レス) id: 798db29bb2 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - まぁさん» まぁ、思いやりと努力といいますか。 スタートの時と同じ気持ちでいられないのが当たり前で、 人間味があるのですが、それでも日常生活の中で、安心できる絶対的なものは生きていく上で あるに越したことないなって思います。プチ家出の場所、探しておかなくては・・ (2020年2月12日 15時) (レス) id: 798db29bb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2020年2月10日 23時
