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反撃のためのカードは、何にせよ残しておくべきだよ ページ8

「ねえ、Aちゃん。 私たち、友達だよね」

「俺、Aちゃんとずっと一緒にいたいな〜。 Aちゃんは、なんだか他の女の子とは違う気がするんだ。 Aちゃんのこと、たくさん知りたい」

「ごめんね、Aちゃん。 でも、私はずっと貴女の友達だから!」



  朱莉さん、赤城、可憐ちゃん・・・。


 

  きっと一生こっち側に関わるはずのなかった貴方たちを巻き込んでごめんなさい。

 せめてもの償いに、自分の身を滅ぼしてでも皆を助けさせて。


  私は密かに、腰のポシェットに付いているボタンを押した。

  気が付いて、中也。 これが反撃の手段なの。


 ターゲットの足元の地面に冷気が漂い始める。 そして、私の猿轡を鋭い氷が切り裂く。

 時間稼ぎのために、異能で何とか対抗する。


「私の異能よ、山本むつみさん。 声に出さずとも、発動できるの これでも私、異能ではマフィア一だからさぁ」

  マフィア最強の異能力者でやってきたこの六年間は、伊達じゃないんだよ。

「それが何よ! ただ氷を操るだけじゃないの。 私の異能は・・・」

「人を操る異能でしょう? 知ってるよ。 嗚呼、退屈。 退屈な異能ね、山本さん。

  ねえ、朱莉さんを危険に晒すなんて・・・」


  それ相応の覚悟でやってるんだよね?

「ヒィッ」

「何でこれくらいで怯えてるわけ? ねえ、もっと楽しませてよ。

  楽しく教えてあげる。 貴女のその体に。 ゆっくり、じっくり・・・。 どれだけ貴女が罪深いことをしてきたのかね」

「で、出来るものならやってみなさいよ! 今此処には、うちの組織の最強の部隊がそろってるのよ!」

「だからぁ? 異能力者も極少数。 それに、お荷物を抱えた状態でどうやってマフィア一の異能力者を倒すっていうの?」

「っこの! やってしまいなさい! 貴方たち!」

  ターゲットが叫んだ瞬間、背後に控えていた黒服の男たちが銃を構えて私と朱莉さんを囲んだ。

 そして、一人の男が私の前にナイフを下げて出てきた。

「何故、貴方がいるの?」

「A様。 本当に貴女には感謝しています。 でも・・・」

  家族を取られちゃったんですよ

 そう言って、泣きながらナイフを構える元部下を捉えた瞬間





「っ 山本ォォ!」

  激しい憎悪に襲われた。


 絶対に殺してやる

座右の銘が何処からかすっぽりと消え落ちている→←拉致



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なすび(プロフ) - りとのおへやさん» 有難うございます!  これからもそう言っていただけるよう、頑張りますね! (2019年6月2日 21時) (レス) id: 6cdc79c834 (このIDを非表示/違反報告)
りとのおへや(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです!中也オチマジで神!!!本当に、こんな神作品を読ませていただけて感謝しかないです! (2019年6月2日 20時) (レス) id: 534e38ce7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なすび | 作成日時:2019年1月30日 21時

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