【wrwrd】徹夜召喚II-2【tn】

第87話　最後の一人 ページ40

　
　
pe「まぁ、今回の情報で繋げられたのはそこだけですね」
tn「いや、充分です。有難う御座います」

ぺいんとさんとトントンさんは、互いに会釈をして会話を終える。
机に置かれた菓子類が駄菓子であっても、ちゃんと外交の雰囲気は保たれている様だ。

...それにしても、米は兎も角どうして駄菓子まで魔界(こっち)にあるんだろう...？
前にシャオロンが言ってた、“架け橋”というものが関係しているのかな。

ふとパッケージの成分表示を見てみれば、賞味期限が私の召喚された日と直近である事が分かる。そんな風にジロジロと駄菓子を見ていると、しにがみさんが声をかけてきた。

si「あ、それも美味しいですよ！僕もトラゾーさんに勧めてもらって初めて食べたんですけど。魔界じゃ味わえない美味しさです！」
『トラゾーさん...？』
kr「ウチの幹部の一人です。今は同じ幹部の奥さんと新婚旅行に行っていて、今日の夕方くらいに帰って来るんですけど...」

その言葉に私は、N国幹部は“四人”だと思い出す。

...勧められた、という事はもしかしてそのトラゾーさんは...人間？

『あの、つかぬ事をお聞きしますが...そのトラゾーさんは、人間であったりしますか...？』
pe「へぇっ！？あ、えーと、そ、それはどうかなぁ〜？な！しにがみ！！」
si「うぇっ！？あ、そーですねー！？どーでしたっけぇ！？」
kr「あ、人間ですよー」
pe・si「おいクロノアさんっ！！？」

挙動不審になる二人を余所に、クロノアさんがあっさりと教えてくれた。
その瞬間、二人は勢いよく同時にクロノアさんの口を手で塞ぐ。

...いや、全然誤魔化せてないけど。

pe「い、今のはクロノアさんの虚言っすよ！この魔族(ひと)すーぐそういう事言うんで！あははは！」
si「そーそー！ほーんと困っちゃうなー！？」
tn「えーっと...ぺいんとさんに姉さん、大丈夫ですよ？他に漏らしたりしませんし...実は、此方にいるAさんも、人間なんで」
pe・si「えぇっ！？！？」

トントンさんの視線に、私はN国の皆さんに向かって一礼をした。ぺいんとさんとしにがみさんは、口を顎が取れそうな程開き唖然としている。
そして少しすると、二人は「嘘だ！」と叫んだ。

ng「嘘じゃないです。A様はトントンさんが召喚された人間で間違いありません」
pe「いやいや嘘！だって...」

　

　

　
pe・si「Aさん全然凶悪な顔してないもん！！」
『...え？』

そう言った二人は泣きそうな顔をしていた。
　

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