第67話 最初の命令 ページ20
廊下の先にあったのは、人間の私から見て、とても異様な光景だった。
『あれは...?』
ci「何アレ気持ち悪ぅ!?」
トントンさんとゾムさんを囲う様にして、小さな何かの群れが彼らに攻撃を仕掛けている。
それ等は空中を泳ぐ様に隊列を組み、ドーム状に動き回っていた。
なんだろう、あの見た目は...エイ?にしてもちっちゃいけど。
bn「うぇっ、ちっちゃいファントムの群れ!?ファントムってもうちょいデカくなかったっけ!?」
or「あんなん見た事ないっすよ!?」
ci「トントン!ゾムさん!無事かぁ!?」
チーノさんが声をかけると、ドームの中から剣撃の音と共に、トントンさんの声が聞こえる。
tn「チーノか!こっちは何とか無事や!ただ、怪我人がおってデカい技が打てん!」
ng「怪我人?」
彼の言葉に、私は目を凝らしてドームの中を覗いた。
すると、二人の足元にボロボロの布切れを纏った人が倒れているのが分かる。
その背中からは、血の滴った“純白の翼”が一対生えていた。
『あれって...天使?』
tn「っ!?その声、Aさん!?」
zm「トントン!余所見すんなや!!」
また、剣撃の音が鳴り響く。
天使を庇いながら戦っている為、このままでは二人の体力の消耗の方が早いかもしれない。
...敵は完全に天使を狙ってる。あのドームの中から天使を移動させる事が出来れば、お二人が存分に戦えるけど...。
そう考えていると、トントンさんから声がかかる。
tn「Aさん!此処から離れて下さい!貴女は自室に戻るんや!」
『えっ、自室にって...こんな状況で』
tn「危険やから安全なとこに居て下さい!...っ」
彼は少し言葉を詰まらせた後、声を張り上げた。
tn「A!“命令や”!部屋に戻れ!!」
『っ!』
ビリビリと、肌に電気が通る感覚がする。
初日に抱いた彼への恐怖がぶり返してきた。
呼吸が、少しずつ浅くなる。
...あぁ、“従わなければ”。
『...かし』
bn「待って、Aちゃん」
了承を伝えようとしたその時、ぼんさんの手が肩に置かれる。
不意に其方を向くと、彼はへらりと笑った。
bn「俺のカッコいいとこアピールするから、見ててよ」
『えっ...?』
bn「おらふくん、魔力はどんな感じ?」
or「訓練で使ったんで、連発は出来ないです」
bn「了解...ふぅ」
彼はグラサンを直すと、口を開く。
bn「ファ〜ントムさぁ〜ん!【マイクラし〜ましょっ】!」
そう言った瞬間、彼の紫の瞳が白く光を放った。
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まる(プロフ) - やっぱり“なる”様だったんですね、最初の直感当たってたの嬉しww 魔王も神も、u先やネタに関しても、来斗牙様の作品は伏線が分かりやすい上に、パッと分からなかった伏線もすぐ回収してくださる為ストレス無く楽しめています。更新、楽しみにしております! (10月13日 14時) (レス) @page43 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - お久しぶりの更新、とても嬉しいです!アレ…魂の…ランタン…?まさかダンジョn(( (2023年4月1日 11時) (レス) @page43 id: 2d3cfb07c5 (このIDを非表示/違反報告)
sugeeee - 世界観がとてもかっこいいです!…外の神と魔王が全く分かりません……。 (2023年3月10日 14時) (レス) @page38 id: 1906228508 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - 外の神と魔王が察せる件について (2022年12月1日 21時) (レス) @page41 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
ナイトジャー(プロフ) - 久しぶりにきたら投稿されててこれまた内容が素晴らしくて色々大変です(語彙力無)peさんとsnさんの掛け合いとか本当にありそうですもんね…。ネタのぶっこみ方が本当に尊敬します。 (2022年11月12日 20時) (レス) id: 8b9e251ed3 (このIDを非表示/違反報告)
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