【wrwrd】徹夜召喚II-2【tn】

第64話　スキル ページ17

　
　
bn「そういえば、Aちゃんの“スキル”ってどんな奴？あ、言いたくないんなら良いんだけどさ！？」

ふと、ぼんさんからそんな事を聞かれる。
今の所、聞き覚えの無い言葉だ。

『あの、スキルって何ですか？』
bn「えっ、知らないの？」
『すみません。魔界の事は今絶賛勉強中でして...というか、召喚されたの数ヶ月前ですし』
bn「そんな最近なの！？それで重役の補佐って、Aちゃんってもしかしてエリート...？」
『運が良かっただけですよ』

彼は口元に手を当て、「恐ろしい子...！」とでも言いたそうな表情を浮かべる。
そんな人間にしか伝わらないやり取りをしていると、おらふくんが咳払いをした。

or「ぼんさん、話逸れてますよ」
bn「あっ、そうだった。えーっと、スキルって言うのは簡単に言うと加護の進化系なのよ」
『加護の進化系？』

その言葉だけではイメージが掴めず、私は頭を捻る。
分かっていなかったのは私だけでは無かった様で、回復したチーノさんもぼんさんの方へ身を乗り出していた。

ci「加護って進化するんですか？」
zm「俺もそれは知らなかったんやけど...」
or「加護も、結局は能力のカテゴリーの一つですからね。僕達魔族が身体を鍛えて強くなる様に、加護も鍛えれば個人の力として開花するんすよ」
『そうなんだ...ぼんさんは、元々どんな加護だったんですか？』

ぼんさんに視線を向けてそう問いかけると、彼は手を顎に移動させてキメ顔を作る。何やら自信満々だ。

bn「フッフッフッ...俺の加護が知りたいか、ならば教えよう...俺の加護は、“先見の明”だっ！」
ng「先見の明...！それって、未来視ですか！？」
zm「マジか...そんなんチートやん」
bn「どーよ、どーよ！！」

　

or「ま、当てる確率５％でしたけどね」
全『えっ』
bn「ちょっ！？おらふくん、しーっ！！」

そんな自信を真っ向から折る様に、おらふくんが少し口をニヤつかせながら付け加える。
ぼんさんは慌てふためきながら、彼の口を塞ごうとして避けられていた。

ci「ぼんさん...イキったんですね」
zm「イキリ警察です。現行犯逮捕します」
bn「なんでよ！？ていうかイキリ警察って何！？」
zm「っ良い人でした...！」
bn「終わんないでって！！」

チーノさんとゾムさんが、笑いを堪えながらぼんさんをおちょくる。
コントの様に、それが繰り広げられている時だった。

　

　
カァーーーン！

甲高い音。いくつかの爆発音。

そして、食堂に...警報が鳴り響いた。
　

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