48.はじめくん ページ1
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「助けてくれてありがとう」
「怪我ねぇならいい。俺も驚かせたし。てかお前どうしてこんな所にいるんだよ？」
改めて座りなおした私の隣に、彼も椅子を引く。
大胆に腰を掛けるその姿は小学校と変わらなくて、少し笑ってしまった。
「なんか塾が今使えなくて。お家だと私サボっちゃうからさー」
「それでここか」
「そうそう。いい場所見つけてラッキー！でも岩泉君はどうして？」
「見えたんだよ。窓開けてるの。お前が残ってるの珍しいから来てみた」
エナメルから引っ張り出したネクタイを結びながら、何の気無しに彼はそう言った。
きっと何も意識してなんて無いんだろうけど。
だって、私が見えたから。
私がいるかもって思ったから。
こんな部活帰りの真っ暗な校舎に、こんな三階まで来てくれたって事実が。
その行動一つで勘違いしてしまいそうになる程、舞い上がってしまうのが乙女心というもので。
にやける口元を隠しながら、私は机の上の物を片付ける。
勘違いでもいい、私が一君の頭の中に、少しで居れたってわかったら幸せだ。
そうやって口の奥で幸せを噛み締めながら、消しカスを集める。
何となくだけど、一君は片付けまで待ってくれるような気がして、急いでまとめた。
「そーいやさぁ」
「んー？」
カバンの中に沢山の本を入れて整える。
入れてきたはずなのに、どうして行きより帰りの方がパッキングが難しいのか、長年の疑問にぶちあたった。
なかなか来た時みたいに綺麗に片付けられなくて、力任せに水筒をブチ込む。
スクバの下で何かプリント類が悲鳴を上げた気がしたがそんな事は気にしない。
大丈夫、多分。
よし帰ろう。
スクバの肩紐を握りしめて準備を完了させ、隣に座る一君に笑顔で「おまたせ」って―――――――
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「お前、俺の番号、"はじめくん"って入れてんのに、なんで呼ばねぇんだよ？」
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隕石が降ってきた。
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ここまで読んで下さってありがとうございました！
まだ長旅になりますがよろしくお願いします！
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白米 - 夢主ちゃんの初々しさが可愛すぎて、岩泉くんがイケメンすぎて、キュンキュンが止まらないです! 言葉選びもとっても素敵で好きが溢れ出します! (2023年1月28日 13時) (
レス) @page21 id: c47ed55b6d (このIDを非表示/違反報告)
あおい亜緒(プロフ) - 素敵すぎます、更新待ってます＾＾ (2021年11月29日 7時) (レス) @page5 id: 4763f9e9c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結城 | 作成日時：2021年10月3日 23時
