Fleur simple

Episode30 ページ31

陸「じゃあ、帰りましょう」



そういって、何事もなかったかのように、

わたしの手を繋いだまま歩き出した。


「え？？手…」


陸「俺たち今日から仮にも恋人でしょ？

ちゃんと恋人らしくしないと、バレちゃうでしょ？」




さっきとは違う、

少し子供っぽい言い方と表情に何も言えなくなる。


陸はずるい、真剣な表情も、

無邪気にはしゃぐ姿も全部かっこいい…


…私の心臓、爆発とかしないかな？




陸「あ、そうだ、みんなにも秘密ですよ？」


「みんなって、光輝たち？どうして？？」


陸「敵を騙すには見方からって言うでしょ？

信じてないわけじゃないけど、

どこで嘘がバレるかわからないし、ね？」


「んー、たしかに、」




理由があったとしても、


周りの人だけじゃなくて、光輝達にも嘘をつくなんて、

偽の恋人なんて、陸は本当によかったんだろうか…




「あ、私の家、ここ！」


陸「めっちゃいいところですね！

じゃあ、今日はありがとうございました！」


「私こそ、髪飾り買ってもらって、

面倒ごとにも巻き込んじゃって…」


陸「Aさん、その話はもうしないで、

俺がAさんにお願い、聞いて貰ったんですから、」


「うん、ありがとう。…じゃあ気をつけて帰ってね？」


陸「はい、じゃあまた学校で！」



陸の後姿を見ながら、今日一日のことを思い出す。

濃厚な一日だった、

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