Fleur simple

Episode23 ページ24

尊「好きな奴いんのか！？」


「え、ちが「好きな奴って陸？」



私が最後まで説明しようとすると、竜に遮られる。



「なんで、陸？」


竜「あーいや、なんとなく？

仲良さそうにしてっから、、」


尊「確かに、でもそれ言ったら、

海司とかもそうじゃん？」


「仲良いのは尊人も竜もそうじゃん！

違うよ？嘘ついたの、私好きな人いないし」




尊人がだんだん興奮してきて、

竜もなんか不機嫌になっている気がして、

はやく否定しないとって思った。


１つの嘘がこんなにも大きくなっていくなんて、

どんな状況でも、嘘はつくもんじゃないね。




「好きな人がいるって言ったら、

諦めてもらえると思ったの…」


尊「へーそっか！

じゃあ、気になる奴とかもいないのか？」




気になる人か…

そういえば、今までそんなふうに

思う相手っていなかったかも…




「んー私、誰かを好きになったことないかも」


尊「誰かと一緒にいて、

胸がキューンってなったことねーの？？」


「キュン、かぁ？ないと思うなぁ」



考えていると竜と目が合い、

なぜか晒せなくなる。


竜もじっと私の方をじっと見ている。




竜「一回も？ないの？」


「な、ない…」


尊「じゃあ、心臓の音がはやくなったりは？」




『お待たせしました！

ご注文のパンケーキをお持ちしました』


「あ、ありがとうございます！」



.



タイミングよく、

店員さんが来たから話は途切れた。



″心臓の音がはやくなったり″


尊人に言われた言葉が頭に残る。



私、竜と目が合うと、心臓の音がはやくなる。

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