39.【もう1度】 ページ40
桜の咲く季節。
卒業証書の筒をにぎりしめた私は3年生を終えようとしていた。
「ツムが呼んどるで」
同クラスだった治に呼ばれて昇降口まで駆け下りる。
「やから、あかんって、ボタンは渡せへんねん！」
女子にもみくちゃにされてる侑を見て改めて人気者やなぁ、と思う。
「！Aー！！」
そこで名前を呼ぶんじゃない。取り巻きが私を見てまうやろ。
と不満気な顔をしていると取り巻きを抜け出した侑は私の手を引いて階段を駆け上がった。
「ほんまは教室まで迎えに行きたかったんやけど、女子の力舐めとったわ！」
と笑みを含んだ声で話す。
入った教室は2年2組。粋やないかい。
まだワックスの匂いが残る無人の教室。
侑は内側から鍵をかけた。
そしてあの、出席番号順の席へ移動する。
「A！！俺は一目惚れした！気を引こうと必死やった！2年の時、あの時から日番忘れたりせんかった！日番って楽しいなぁって思った！」
めっちゃ緊張しとるな…。肩が固まっとる。
「放課後、ここで一目惚れして、付き合いたいって思った。
でも、恋に恋しとる自分がおった。
やけど、好きな食べ物聞いたり、体育の後の置き手紙見たり、趣味知ったり色々あったから…」
徐々に整った顔がゆでダコのようになっていく。
「恋に恋しとるんやなくて、Aに、恋した。」
熱い。多分自分もゆでダコや、心が苦しい、
「魚だけやなくって毎日味噌汁作ってほしい、水族館一緒に行きたい。一緒にゲームしようや、あ、淡路島一緒に行って玉ねぎ食べたい。
それと、
俺の選手としての活躍、ずっと隣で見とってほしい。」
1年前の自分よ。
今は悩んでてもいい。付き合うか付き合わないか、考えとき。
どうせ、
「やから、付き合ってください。」
侑は私を攫うから。
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kurosanyanen(プロフ) - メグメグさん» コメントありがとうございます！そろぼち新作を考えてるのでまぁまぁに期待してくださると嬉しいです笑 (2020年4月5日 2時) (
レス) id: a7e831e146 (このIDを非表示/違反報告)
メグメグ - 初コメ失礼します…多分初コメだったはずですw完結おめでとうございます！作者さんの文才が素晴らしく思います！新作の小説が出来たらすぐに飛んでいきますので!! (2020年3月28日 16時) (レス) id: cb17b2775c (このIDを非表示/違反報告)
kurosanyanen(プロフ) - なつきさん» ありがとうございます！がんばりますね！ (2020年3月27日 1時) (レス) id: a7e831e146 (このIDを非表示/違反報告)
kurosanyanen(プロフ) - 白井りーさん» ありがとうございます！ (2020年3月27日 1時) (レス) id: a7e831e146 (このIDを非表示/違反報告)
なつき - 初コメ失礼します！もう、、好きです。そして絵上手ですね！うらやましいです！これからも更新楽しみにしてます。無理しない程度で頑張ってください！応援してます！！！ (2020年3月19日 14時) (レス) id: 0d6f6a630f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろさんやねん | 作成日時：2020年3月8日 11時
