11話 ページ13
不安を抱え奇襲がこないまま、2ヶ月が過ぎた。
手続きを済ませて正式な団員となった俺は、仕事(新人でもできるような簡単なもの)をこなしたり、町を先輩の獣人に案内してもらったり、
マルシの獣人はそれぞれ仕事を班分けしていて、半年に一度変更届けが出せる。ちなみに俺は警備・護衛班だ。
「ねぇー、おいらも連れてって〜!」
「駄目だって言ってるだろ、姿消しててもなにかしらやらかしそうだ。」
「おーねぇーがぁーいぃー!!」
現在俺は、駄々をこねているシズクに困っている。
今日、俺は町の教会へ届け物をする予定で今から教会へ向かおうとしたら、シズクが現れた。
こいつは本当に面倒だ。
おやつは勝手に食べるし、仕事中にちょっかいは出してくるし、前回も仕方なくシズクと町に出たら町の人たちに驚かれたし…。(姿を消したら驚かれなくなったが、勝手に物を浮かせたりする。)
そして、回りからはこいつの世話係だと思われているという。護衛班って、こういう仕事ではないはずだ。
「別にそれくらいいいだろ〜。連れてってやれよ〜。」
先輩の獣人にそういわれてしまうと、もうそうするしかないように思えてしまう。仕方ないと、小さくため息をついた。
「おとなしくして、目立たずいいこにしてるんだぞ…。」
「やった!おっけーってことだよね!?了解!!」
ぶんぶんと首を縦に振るシズク。俺はもう一度ため息をつくと、教会へと向かった。
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作者名:黒夏 | 作成日時:2018年3月30日 11時